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平成23年第4回定例会(第4日目) 本文 2011-12-09
平成23年第4回定例会(第4日目) 名簿 2011-12-09

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  1. 仙台市議会 2011-12-09
    平成23年第4回定例会(第4日目) 本文 2011-12-09


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     〔修  礼〕     午後一時開議 ◯議長(佐藤正昭)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(佐藤正昭)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、菊地昭一君及び石川建治君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(佐藤正昭)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、菊地崇良君に発言を許します。     〔一番 菊地崇良登壇〕(拍手) 4: ◯一番(菊地崇良)議長のお許しを得ましたので、一番菊地崇良が一般質問をさせていただきます。  一般質問に先立ち、津波によって家族や全財産を流され失い、また、地震によって宅地、家屋が著しく損なわれる等、生活再建もままならない数々の被災した市民皆さんが、いまだいえることのない苦しみの中にあっても、やがて来るであろう春を信じて耐え忍んでおられる姿に心からの敬意を表します。  ようやく国の第三次補正予算の大枠が明らかになりましたが、国家を挙げて被災地、被災者を一日も早く救済するとの意識の乏しい現政府の全くスピード感のないありさまに、地方議員として、また一市民として憤りを抑えることができません。四次補正予算の審議が、よりスピーディーに、現地の実態を踏まえた実効性の高いものとして進むことを強く望みますが、東北市長会の会長でもある奥山市長に引き続き現地の要望について強く国に働きかけていただき、もし国の動向がさも人ごとのようであれば、二万人犠牲者の物言わぬ慟哭と、被災地で歯ぎしりをしつつひたすら耐え忍ぶ東北人、仙台市被災者の憤りを思いをいたしていただき、霞が関で血の涙を流しながらお訴えいただきますように切にお願い申し上げます。  さて、第三回臨時議会において仙台市震災復興計画が採択されました。今回の議会から、その制度設計等の具体化について本格的に検討するステージに移行したと認識しております。限られた環境で職務せざるを得ない仙台市御当局関係者の御努力を推察し、まずもってその労を多としたいと存じます。  震災から九カ月がたち、本格的な冬を迎えながら、生活の再建に望みをつなぐ被災した市民の皆様の声を限られた時間で代弁しつつ、政府地震調査委員会の新たな見解と、それら変化要因を踏まえ、仙台市復興計画等について抽出して問うとともに、先般行われました宮城県と仙台市の議会議員選挙についてお伺いいたします。日々変化する今次情勢にかんがみ、他議員と重複する事項についても、進捗確認の意味もありますので、十分に御理解いただき御答弁いただきたいと存じます。  まず初めに、震災関連についてであります。そのうち、大きく喫緊の備えと仙台市復興計画等と分けてお伺いいたします。
     先日、政府の地震調査委員会では、今回のような大地震が平均六百年程度で発生していたと、これまでの見解を修正する内容を発表しました。一方、これまで三十年以内の発生確率を九九%としてきた宮城県沖地震については、大震災による地殻変動が継続しているため、今後の発生確率は不明としております。これは、本市が想定してきた宮城県沖地震が今また発生する可能性があると認識しておりますが、御当局の御見解についてお尋ねします。  これまでも幾たびか述べてきましたが、現在でも東部自動車道路より海側には、津波被害から最小限の復旧を果たし家に戻られた多くの市民の方々が、地震と津波の恐怖を日々感じながら生活しております。限られた予算の中で、そしてその環境の中で、市民の安全確保のため、暫定版として他自治体に先駆けて津波マップを市民の全戸に配布し、当面の行動の準拠を示されたことについて改めて評価いたします。  復興計画では、市民の生活を守るため多重防御として県道塩釜亘理線のかさ上げが予定されているものの、その完成には長日時を要するため、数年の間は何よりも避難のための各種の備えが重要となります。その際最も重要なのは情報であります。しかしながら、震災から九カ月たちながら、情報収集、警報感知の手段が地域情報にまで至りにくいラジオ、テレビのみであることに、地域住民は不安と強い疑問を感じています。  十月七日に同僚議員からも質疑がありましたが、明確に津波の危険を知ることができる津波情報伝達システムの設置は急務です。仙台市補正予算では同電波伝搬調査費が計上されているのみですが、沿岸部に近接する集落の要点に一基ずつ、逐次でもいいから設置すべきです。市長の御見解を問います。  また、避難所への非常食、飲料水等の備蓄が震災前の量まで回復しておりません。また、その事実を多くの市民は知らされていません。東日本大震災では、避難所の備蓄食糧はあっという間に底をつき、アルファ米を二倍に薄めて小さく握り配付してさえも、二日ともちませんでした。一般的に公的機関は、当初七十二時間をデッドラインとして人命救助を最優先にします。現に、自衛隊による組織的な広域にわたる物資の輸送が開始され、最小限の食糧が安定して供給されたのは、発災五日目以降でした。  今後、前回の教訓に基づいて必要数を見直す予定ではありましょうが、当然その備えには限りがあります。なればこそ、平素からの市民一人一人の備えと自助の意識が大切であり、現在の避難所の備蓄状況の周知、各家庭における食糧等備蓄の必要性の発信が必要と感じますが、いかがでしょうか。お考えについてお示しください。  また、同様に、学校における子供たちへの命を守る教育の実施状況についてお示しください。  さらに、関係機関との連携、協定等の整備に関する進捗状況はどうでしょうか、お示しください。  さて、現行の地域防災計画には、原子力災害を想定した仙台市対応について記述されておりません。原子力安全委員会が定めた防災指針、原子力施設等の防災対策について等には、原発が所在する都道府県とEPZ内に所在する市町村への密接な情報交換等が定められております。しかし、今回の福島第一原発の教訓から、当市としても、万一女川原発に同様のことが起きたらいかに対処するのかの心構えを持つことが必要です。  当然、電気事業者は今回の地震を踏まえてさらに安全の確保を図っていると思いますが、危機管理というのは想定からプラスアルファで考えるべきものでありますし、多くの市民は万一のときの適切な対応を行政に期待しています。頼っているのです。仙台市独自の食料検査等についてのお取り組み等については高く評価しますが、万一の場合の個人防護の指針、避難誘導の考え方について、仙台市として段階的にでも整備すべきと強く考えます。それとも、国との整合性の観点からまだ公にしておらず、既に着手され、万一の場合の腹案は御準備なのでしょうか。お示しください。  次に、防災集団移転促進事業についてお伺いいたします。  仙台市復興計画は採択されましたが、地震と津波で家屋を失い、生活再建に望みをつなぐ被災者の方々からは、いまだ移転に対する不安と不満の声が出ており、時には、行政当局のみならず、議員の私たちに対してさえも激しく罵倒、叱責されながらの御指摘はしばしばです。そういう現地の状況を市長は御存じでしょうか。これは、国の姿勢が定まらないという事情があったものの、被災者の方々に対するこれまでの市側の説明が十分でなかったことが主な要因と思料します。市民が頼るのは、基礎自治体である市にほかならないのです。  当局からは、国の第三次補正予算の大枠が決まる前の段階で、仙台市独自の施策について、被災した方々の心情をおもんぱかっての現地に赴いての説明がなされましたが、英断でした。引き続き住民の方々が納得できる丁寧な説明と、今後の見通しやこれから生活再建の判断に資する情報の提供が被災市民の目線により丁寧に続けられるべきと考えますが、御所見を伺います。  また、防災集団移転促進事業の対象地区、これは、条例改定後、市長による告示によって災害危険区域が指定されるとのことですが、市民の私権の制限に係る重要な事項なので、一方的に決定されるべきものではないと認識します。市民の理解を得るための何らかの手続が必要であると考えますが、御答弁を願います。  防災集団移転促進事業においては、国の第三次補正予算の大枠決定により、これから事業主としての仙台市の制度の具体化が深化、拡充されると認識しております。  先日提示された仙台市独自の支援策に対し、さらなる拡充について被災者の方々からの要望が強く発せられております。仙台市としてこれらの声にいかにこたえていくのか。特に、中間案で移転対象地区であるとされ、移転を覚悟し、反対する親を説得して泣く泣く新築の家を壊しながらも、最終的に移転対象外になってしまった方々への対応について、このお考えについてお示しください。  さらに、生活再建に関する事項についてお尋ねします。  十一月二十一日、政府においては、企業の二重ローン解消施策法案東日本大震災事業者再生支援機構法案が可決されました。生活再建の基盤をなすための一定の前進があったと考えます。しかし、家を失った個々の人にはそのローンが残っている方が少なくなく、防災集団移転に伴う生活の再建への大きな足かせとなっています。八月から個人債務の私的整理に関するガイドラインの受け付けが始まりましたが、問題が解決していない方々のお声を多く聞きます。仙台市としての現状認識と措置についてお尋ねいたします。  続いて、仮設住宅、応急民間借り上げ住宅生活者に対する支援情報についてです。  生活支援情報の郵送や区役所、市民センター等への情報コーナーの設置については、逐次改善が図られております。県内の他の自治体では、早期からコミュニティFMによって生活情報を放送し、生活支援の実の向上を上げていると聞いております。阪神・淡路大震災においても、発災当初からコミュニティFMが有用であったとの教訓も残されております。災害情報、生活支援情報に関する御所見について伺います。  次に、農業の再生と新エネルギー、そして防災、減災等の総合的取り組みについてお伺いします。  優良な穀倉地帯でもある宮城県の農地の整備に関し、先日、国の事業として大規模圃場整備事業について決定されましたが、TPP参加という大変化にも勝ち残ることができる将来の農業のあり方と担い手の育成について、私も脳漿を絞って考えてまいる所存ですが、今後、大いに国、行政当局の指導を期待するところであります。  特に農地の再生に際しては、除塩、排土の後、沿岸部に近づくほど地盤沈下の影響もあってかなりの量の客土を要するところとなりますが、今、仙台市が提唱する次世代エネルギー研究開発拠点づくりの一案として、今回かさ上げする県道塩釜亘理線より海側の農地を、例えば藻類バイオマスの生成用地として大胆に活用し、今後手がける六次産業や防災集団移転促進事業で新設される街区のエネルギー源として活用する等、全国に震災から復興する先進エネルギー都市として先駆け、将来のエネルギー確保の一案について発信することもできるかと思います。採算性、事業継続の可能性について御検討いただく価値があると思いますが、御所見についてお伺いします。  また、震災の泥沼から復興し、日本全国のモデル地区となるべき仙台東部地区の再生に当たっては、仙台市のみならず、関係機関、各種団体等の協力と連携を大いに図るべきです。  例えば、今回津波を阻止した東部自動車道路サービスエリアの開設を要望し、一案として地産地消のマーケットを開設する等して、市民の行楽や物流の円滑化に資するのみならず、万一の場合には、今回多くの人がその道路に駆け上がって助かったように、命を救う避難施設として協力いただくことも有効な考え方と思います。  さらには、防災集団移転促進事業で形成される街区との連接を見据えながら、政令指定都市にふさわしい大規模な運動施設を備えた公園を東部地区の地下鉄東西線あるいは東部自動車道路の便を考慮しつつ整備し、子供たちの健全育成の基盤をなす体力増進の場として、時として消防防災訓練や防災拠点、避難拠点になり得る施設として整備することも必要であると考えます。安全を確保しつつ都市振興を図る仙台市の津波被害地域振興のお考えに合致するものと存じますが、御所見をお伺いします。  また、十二月七日の宮城県議会において、知事が、若林警察署、仮称ですけれども、の設置について、来年度、一部予算を計上する旨答弁したそうであります。東部地区の新しい街区の形成と密接にかかわる事項であろうと認識します。現時点での県との連携、また仙台市としてのお考えについてお伺いします。  次に、記録と教訓の後世への継承について二点申し述べます。  仙台市復興計画には、震災の記憶と記録の集積、復興の姿の後世への継承、備えを忘れてはならないとの情報発信の拠点として、また、犠牲者の鎮魂を表象するモニュメントの整備などについて、メモリアル施設の整備として挙げられております。  今後、市民の皆さんとその取り組みについて検討が重ねられていくと思いますが、私としましては、仙台市沿岸部の津波被災地の中心に位置し、地下鉄東西線に近接する地区への整備、例えば荒浜地区などは市民の皆さんの理解が得やすいと考えております。現時点での取り組みの方向性と御認識についてお伺いいたします。  もう一点は、仙台市当局の意識改革の取り組みの状況についてです。  第三回定例会で質問した折、市長は、先頭に立って取り組む旨の御答弁があったと記憶します。本庁、区、ベテラン、新人を問わず、全体の奉仕者としての不変の使命感と責任感を有しなければならないこと、非常事態への対応に当たった仙台市職員としての問題点と教訓を得がたいものとして全庁的に取り組み、真剣にお取り組みいただき改善していただきたいと切に思います。  大組織では、個々人が組織改革、意識改革の必要性を感じてもなかなかできません。大組織に身を置かれた市長はよく御認識のはずです。鉄は熱いうちに打てです。定期異動を経てしまっては、貴重な経験と記憶の体系的収集と分析が困難になってしまいます。意識改革のための市長の強力なリーダーシップを期待しておりますが、現時点での取り組みの状況についてお伺いいたします。  最後に、選挙についてです。  十一月十三日、宮城県議会選挙が終了いたしました。震災の影響で、これまで統一選挙として同日に実施されていました仙台市と宮城県議会の議会選挙が分離してしまいました。  今回のそれぞれの選挙は、宮城県の、そして仙台の将来を決定する意味を有する重要な選挙であったと認識します。しっかりと議論がなされ、そしてしっかりと民意が反映されなければならない選挙であったはずです。しかしながら、結果は、仙台市議会議員選挙が投票率四〇・〇三%、県議会議員選挙が仙台市選挙区においては三四・九七%と、いずれも過去最低を記録してしまいました。  主権在民、民意が反映されてこその政治、行政と思います。しかしながら、残念ながらその意識は今低下の一途をたどると見え、政治への参画意識などという言葉もむなしく響くばかりです。東北の政経中枢、学都仙台なのにであります。大阪では、よくも悪くも政治、行政に関する意識の大変革の兆しが見え始めました。東北唯一の政令指定都市仙台として、この投票率の低下についてどのように総括されておるのでしょうか、お尋ねします。  今回、仙台市は、インターネットに選挙公報を掲載する初めての試みを果たしました。内外ともに一定の評価は受けていると認識いたします。今回のインターネットによる選挙公報の成果についてお示しください。  私は、投票行動は国民、市民の権利であり、また義務でもあると考えています。しかし、単に投票率だけが上がればいいというものではないと思っています。投票者が正しい判断を下せる選挙の環境を整えることが極めて重要であると考えます。  東北の政経中枢、政令指定都市仙台は、東北にその模範を示していく役割があると思います。投票率向上のための費用対効果も見据えた施策が必要ではないでしょうか。そのためには、投票者が正しく候補者を判断できるよう、選挙公報に新たな取り組みが必要だと思います。例えばインターネット動画や国政選挙においてなされる政見放送に準じたテレビ放送などは、広く市民の目に候補者が映り、その判断材料を示す、提示するのみならず、候補者個々が広報のために経費をかけざるを得ない状況をも軽減する効果が生じてくるのではないでしょうか。  遠くスウェーデンでは、ローカル放送に候補者、これが出演するそうです。また、学校教育でも模擬裁判ならぬ模擬選挙が行われており、有権者としての能力を育成しているため、投票率は何と八〇から九〇%だそうであります。  仙台市議会では平成十五年から、小学校五年生から中学校三年生までの団体を対象に、子ども議会議会体験プログラムを実施しています。すばらしい取り組みですが、どうしても数が限定されてしまいます。  学校教育では中学校から公民教育が始まりますが、むしろ小学生のうちから、教科書がなくとも、学級委員や実選挙の機をとらえた機会教育、その機をとらえた教育、これを早期から事あるごとに選挙に関する知識と意識の基礎を涵養していく必要があるのではないでしょうか。仙台市の市議会ホームページを見ると、小学生向けの市議会ガイドが掲載されています。パンフレットもあります。これなどはまさに格好の学校教育の教材のベースにもなり得ると考えます。仙台市における独自の学校教育項目として取り入れられるべきではないでしょうか、御所見をお伺いします。  さらに、前回の定例会で我が会派の田村議員が質疑しましたが、県と市議会選挙を分離して行った結果、同時に行った前回の合計金額の四億六千百九十八万円よりも、執行ベースで合計一億七百万円、仙台市単独では四千九百三万円多く負担がかかったとの事実もあります。現行上はこのままずっと県と市が別々のまま選挙が行われていくといった御答弁ではありましたが、大震災というこの状況の中で生起したこの結果であること、また、経費節減に逆行していることとの観点から、国に従前のような同日選挙にすべき要望を提出すべきと考えます。御所見をお伺いいたします。  以上をもちまして私の第一問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの菊地崇良議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、職員の意識改革の取り組みについてお答えを申し上げます。  このたびの震災におきましては、発災直後から各種のインフラも同時に途絶するなど、さまざまな非常時対応がほぼ全市一円に求められたところでございます。そうした中で、柔軟な判断に欠ける、あるいは前例にとらわれ受け身の姿勢に終始するなど、本市職員としての課題が浮き彫りになったものと考えております。  このような今回の経験を今後の公務の遂行に生かすことができるよう、今年度より、まず課長職を対象としまして、外部からの講師を招き、緊急時において組織をまとめ上げる力の向上という視点から、それらを取り入れた研修をスタートさせたところでございます。  さらに、将来の本市行政を担います若手職員を対象に、職員としての使命感の高揚や柔軟な発想の養成、そういった視点を取り込んだ人材育成にも力を入れていくことにより、このたびの体験を風化させない取り組みを進めてまいる考えでございます。  また、震災を通して得た貴重な教訓の集約を行い、今後、市役所全体で教訓を共有し、公務の遂行に生かしてまいる所存でございます。  仙台のまちをこのたびの大震災から復興させ、次のステップへと飛躍してまいるためには、市民とともに考え、ともに行動し、失敗を恐れず積極果敢に挑戦する精神が何より私どもに求められてまいります。私どもの意識改革を徹底させ、行政内部の固定観念や前例にとらわれず、市民の皆様とともに未来に向けたまちづくりに当たってまいりたい、このように考えてございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長並びに選挙管理委員会事務局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯危機管理監(曵地泰志)原子力災害対策に関する御質問にお答えを申し上げます。  これまでの国の防災基本計画や防災指針では、国及び関係する県や市町村が定められた責務のもとに一体的に対応することとされておりますが、本市は地域防災計画原子力災害対策編を策定する必要がない地域とされております。  しかしながら、このたびの福島第一原子力発電所の事故により、従前の対策が十分でなかったことが明らかになり、現在、国において原子力防災対策の全面的な見直しが進められているところでございます。  原子力災害発生時の初動体制に当たりましては、他の災害と異なり、放射線や放射性物質に関する知見を必要とすることや、原子力に関する専門的知識を有する機関の助言等が重要であると認識をいたしております。  したがいまして、有事の際の放射能からの防護や避難誘導につきましては、国や県、関係市町村等が密接に連携して対応する必要がありますことから、こうした専門知識を有する国の原子力安全委員会における今後の検討結果等を踏まえまして、地域防災計画への位置づけを含めて本市としての対応を確立してまいりたいと考えております。  それまでの間は、さまざまな危機に対応すべく策定をいたしております本市の危機管理指針に基づき、各部局の役割分担など運用面での充実に努めてまいりたいと存じます。  また、有事の際に適切な初動対応をとるためには、正確な情報を速やかに取得し適切な判断を行うことが重要でございますので、情報収集や市民への周知のあり方について検討するとともに、現在、原子力発電所近隣市町村にのみ提供されている電力事業者からの情報について、本市にもリアルタイムで提供されるよう協議をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 7: ◯震災復興本部長(山田文雄)初めに、ローンを抱えている被災された方々の現状認識などについてお答えいたします。  御指摘のように、本年七月には個人債務者の私的整理に関するガイドラインが公表され、震災の影響によって現在借りている住宅ローンの返済が困難となった方につきましては、融資機関である銀行等との協議によりローンの返済方法の変更や免除を受けることが可能となっております。  これまで被災された方々からの相談に対しましては、このガイドラインの利用相談を受け付けている仙台弁護士会等を紹介してきたところでございますが、具体的な私的整理の状況につきましては把握していないところでございます。  今後、集団移転を進めていくに当たりまして、個人の具体的な費用負担に基づく資金計画の見通しなどが重要でございますので、国の制度や本市の独自支援策をお示しした上で、さまざまな相談に専門家の協力を得て対応してまいりたいと考えております。  次に、関係団体等との連携、協力による東部地区の再生についてのお尋ねでございます。  東部地区の復興に当たりましては、復興計画としてさまざまな事業に取り組んでいくことになります。そこで整備する施設にはそれぞれ必要とされる立地条件などもございますが、御指摘のように、一つの施設が単一の機能を果たすだけではなく、複数の機能を担うことや他の施設との連携を図ることなどの観点も重要と考えております。  その実現に向けましては、地域の皆様のニーズや地域特性などを的確に把握しながら、関係機関との連携、協力などが必要になると認識いたしてございます。このような点に意を用いながら、東部地区の効率的で効果的な再生、また地域の魅力づくりを進めてまいる所存でございます。  次に、メモリアル施設に係るお尋ねでございます。  このたびの復興計画における震災メモリアルプロジェクトにおきまして、震災の記録と復興を後世に継承するためのアーカイブや情報発信のための拠点を整備するほか、東部沿岸地域に震災の記憶の継承と犠牲者の鎮魂を表象するモニュメントなどのメモリアル施設を整備することといたしております。  現時点におきましては、具体的な施設整備地区などは未定でございますけれども、今後、御提案の交通利便性なども勘案しながら候補地区を選定の上、施設の機能、規模、デザインなどについて幅広い市民の合意形成を得ながら検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 8: ◯総務企画局長(藤本章)コミュニティFMを活用した生活支援情報等の発信についての御質問にお答えいたします。  地域密着型の情報発信を強みとするコミュニティFMにつきましては、災害時にも有効な広報媒体の一つと認識いたしており、仙台市内にあるコミュニティFM三局と災害時放送協定を締結いたしているところでございます。このたびの震災におきましても、発災以降、本市から提供いたしました各種情報の発信に積極的に御協力をいただいております。  現在、今回の震災の経験も踏まえつつ、3局ネットによる復興番組の企画について協議を進めるなどしておりますが、今後も、コミュニティFMを初め多様な広報媒体を活用しながら、災害情報や生活支援情報の広報にさらに工夫を凝らしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯市民局長(高橋一典)(仮称)若林警察署に関する御質問にお答えいたします。  若林警察署の設置は、本市におきましても長い間要望を重ねてきた案件であり、震災を受けてさらに緊急性が高まった課題であると認識しております。  これまでも県警と市との連絡会議などの機会をとらえ早期の設置を要望するとともに、あわせて用地候補地に関する情報提供などを行ってきたところでございますが、今後とも実現に向けて働きかけを強めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯経済局長(高橋裕)県道塩釜亘理線より東側の活用に関するお尋ねにお答えをいたします。  東部地区につきましては、農と食のフロンティアとして位置づけ、生産基盤の拡大や六次産業化などにより、国際的な競争にも耐え得る力を持つ農産物等を生産、販売する先進的な生産拠点を形成してまいりたいと考えてございます。  その中で、県道塩釜亘理線より東側につきましては、最も被害が大きい地域でありますことから、多様な農地活用検討エリアと位置づけたところでございます。  この地域につきましては、地権者や農業者の皆様の意向を十分に踏まえつつ、本市の復興に資する有効な活用策につきまして、エネルギー問題など御指摘のような観点も含め幅広く検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 11: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、防災集団移転促進事業に関連しての御質問にお答えを申し上げます。  まず、防災集団移転促進事業に関する住民への説明と情報提供についてでございます。  これまでの説明会や地域の勉強会などにおいて、事業の概要や想定スケジュールなどについて御説明してきたところですけれども、今月中には、国により拡充された制度の内容や本市の独自支援の考え方などについて、対象になる地域住民への説明会を開催する予定でございます。  その後、集団移転の事業実施に向けて詳細な意向調査を行うとともに、町内会やグループ単位、個別での相談を重ねながら合意形成を図ってまいりますが、その中で被災された方々の個々の実情に応じて必要な情報提供を行い、事業への御理解が得られるよう丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。  次に、災害危険区域の指定についてでございますが、移転対象地区はさまざまな防災施設を整備してもなお津波による危険性の高い地域であることから、今回の震災で多くの人命が失われたことを教訓として、市民の命を守ることを最優先に安全を確保するため、できるだけ早期に災害危険区域を指定する必要があると考えております。  この災害危険区域を指定する区域につきましては、十一月の第三回臨時会で御議論の上、議決いただいた復興計画で示す移転対象地区のとおりとする予定でございます。  このことについては、これまで説明会を初めさまざまな機会を通して説明してきたところですが、その中で地域の方々の理解は徐々に進んでいるものと考えております。今後も、より多くの方から理解が得られるよう、引き続き丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。  次に、本市独自の支援策についてでございますが、その詳細については、十一月にお示しした支援方策の考え方をもとに、移転対象地区移転対象外地区のそれぞれにおいて、議会での議論や地域の方々からの意見などを踏まえ、移転する方の負担軽減などに十分配慮しながら具体の制度設計を行ってまいりたいと考えております。  また、移転対象外に変更となった地区におきましては、それぞれの地域の実情や特性に応じた対応が必要であることから、今後、地域の方々とともに移転と現地再建に関するさまざまな手法を検討しながら、安全性の向上やコミュニティーの再生なども含めた、地域にふさわしい新たなまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 12: ◯消防局長(高橋文雄)防災対策に関する数点の御質問にお答えをいたします。  まず、宮城県沖地震の発生に関する認識についてでございます。  先般、政府の地震調査研究推進本部が平成二十三年東北地方太平洋沖地震についての現時点での知見をまとめ、宮城県沖地震の長期評価の見直しが行われました。この中で、今回の地震の震源域の中に従来発生するとされてきた宮城県沖地震の震源域が含まれているとされてはおりますが、依然、発生する可能性は否定できず、その発生確率は不明とされております。
     さらに、本年十一月の政府の地震予知連絡会における気象庁の見解として、東北地方太平洋沖地震の余震として、マグニチュード七・〇以上の地震が十一月十五日からの一カ月間に発生する確率はいまだ約一五%とされている現状を考慮しますと、引き続き宮城県沖地震を初めとする大きな地震に対する十分な備えが必要と考えております。  次に、津波情報伝達システムの早期設置のお尋ねでございます。  津波情報伝達システムの屋外拡声装置につきましては、津波により被害を受けた後、修繕などにより、被害を受けなかった装置を含め現在十八基が稼働しており、今年度中には、人が住んでいる地域や多くの人が集まる地域を中心に復旧を行い、さらに十基を稼働させる予定としております。  引き続き残る装置の復旧を急ぐとともに、さらに、このたびの津波の浸水区域で屋外拡声装置が未設置となっている住宅地等に対しましても、電波伝搬調査の結果等を踏まえ早期の整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、避難所の備蓄状況の周知と食料備蓄等の市民への啓発促進についてでございます。  指定避難所等への食料の再備蓄につきましては、今年度中には震災前の水準までの備蓄が完了する予定となっておりますが、こうした公的備蓄の状況を逐次お知らせしてまいる必要があるものと認識しております。  また、このたびの震災では多数の市民の方々が避難したことにより、指定避難所等で食料、飲料水の不足が生じましたことから、公的備蓄とあわせ、市民の皆さんみずからが食料や水の備蓄を行うことも重要でございます。  これまでも地震防災アドバイザーによるテレビやラジオによる広報、ホームページや各種パンフレット、さらには防災訓練の場などにおいても呼びかけを行ってきたところではございますが、引き続き、公的備蓄の状況の広報とあわせ、さまざまな機会をとらえ家庭内備蓄につきましても積極的な啓発に努めてまいりたいと存じます。  最後は、関係機関との連携などに関する状況についてでございます。  このたびの震災においては、自衛隊、警察、海上保安庁等の防災関係機関のみならず、協定締結の民間団体とも連携しながら災害対応に当たったところでございますが、とりわけ住民の避難先となった津波避難ビルや避難者救出のための道路啓開を行った建設業関連団体との協定は、所期の目的が達成できたものと認識をしております。  一方では、燃料不足やライフラインの途絶、電話回線の不通などにより発動されない協定もありましたことから、このような課題につきましては、今後、こうした関係機関・団体との意見交換などを通じ情報共有を図るなど、さらなる実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 13: ◯教育長(青沼一民)私からは、学校教育に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、学校における命を守る教育についてのお尋ねでございます。  子供たちが災害時に自分で身を守る力を養うことは極めて重要であると認識しております。これまでも各学校におきましては避難訓練時に落下物や煙などから逃れるための実践的な活動を取り入れるなどの工夫をしてまいりましたが、今後は、今回の震災の経験を踏まえ、登下校時や家庭において災害に遭った場合の身の守り方なども含め、さらに指導の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。  続きまして、小学校における選挙に関する教育についてのお尋ねでございます。  小学校社会科の学習指導要領では、議会政治や選挙の意味について扱うこととされておりますが、そのような内容について六学年で学習しております。さらに、本市では、副読本の「わたしたちのまち仙台」において市議会や市役所を取り上げ、選挙や地方自治についてよりわかりやすく学習できるようにしております。  将来の有権者としての基本的な資質をはぐくみ、社会への参画意識を養う公民教育は重要でございますので、仙台市議会の体験プログラム等の活用を含め、引き続き推進してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 14: ◯選挙管理委員会事務局長(土屋政一)選挙関連の御質問にお答えいたします。  まず、仙台市議会議員選挙と宮城県議会議員選挙の投票率についてでございます。  今回の市議選、県議選は、全国的に地方選挙の投票率の低下傾向が続いていることに加え、多くの被災者がおられるという状況の中で、抑制ぎみのいわゆる静かな選挙が戦われたこと、また、沿岸部市町との被害状況の差から分離した日程となったことなどもありまして、投票率はいずれも過去最低となりました。  選挙管理委員会といたしましては、投票率の低下が懸念されましたことから、これに危機感を持って臨み、被災者対応を含め手を尽くして啓発に努めたところでございます。それにより期日前投票等の成果は見られましたが、全体の投票率の低下を食いとめることができなかったのは残念な結果であったと考えております。  次に、インターネットによる選挙公報の成果についてでございます。  今回の市議選において、全国初の取り組みとして選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載を行ったところでございますが、他のページの数倍に及ぶ一万三千件以上のアクセスがあり、また、選挙公報が未配達との苦情も大幅に減るなど、一定の成果が見られたところでございます。  次に、投票率向上のための費用対効果も見据えた施策としての、選挙公報への新たな取り組みについてでございます。  投票率を高める方策として、候補者の政見等を有権者に周知する手段を多様化させることは効果が高いものと認識しておりますが、その手法につきましては法律等で厳格に規制されているのが現状であります。インターネットによる選挙運動の解禁等については、指定都市選挙管理委員会連合会から国に要望しているところでもあり、今後の法改正の動きを注視してまいりたいと考えております。  最後に、宮城県・仙台市同日選挙の実現についてでございます。  今回分離した日程となった市議選と県議選を再び統一して実施することにつきましては、現行法の枠内では困難であるほか、特例の設定にも課題が多いものと認識しておりますが、経費の点からも統一が望ましいことは御指摘のとおりでございますので、今後、宮城県選挙管理委員会と協議してまいりたいと考えております。  以上でございます。 15: ◯一番(菊地崇良)一点再質問させていただきます。消防についてであります。  津波情報伝達システムについては、現在、十八基稼働で、今だめになっている十基が、これまであったところをベースに今年度中に回復するといった御答弁と認識しましたが、今回、東部自動車道路の地域で現在住民が住んでいる、これまで津波情報伝達システムがなかった場所、ここにはまだ人が住んでいます。現に人が住んで、命を守るというのであれば、その今年度回復をする十基、従前の場所ベースの十基を、一基でもその孤立した地域の人々の前に持ってくるのが命を守るということではないかと存じますが、これに関する再答弁をお願いいたします。 16: ◯消防局長(高橋文雄)津波情報伝達システムに関する再質問にお答えいたします。  津波情報伝達システムの屋外拡声装置につきましては、被災前、五十基沿岸部に設置しておりました。そのうち現在十八基が稼働しておりまして、今年度中に十基を復旧させ稼働させる予定としてございます。残りの装置につきましては、新年度に同じ場所に復旧させることを基本としておりますけれども、さらに、このために補正予算におきましては、現在、浸水域で屋外拡声装置が未設置となっている住宅地等に対して設置をするために、その電波伝搬調査を行うということにしておりまして、そういった中で対応してまいりたいというふうに考えてございます。 17: ◯一番(菊地崇良)電波伝搬調査が終わった後、速やかに設置すべきと思います。ただ、今、予算のことを考えると、来年の次年度予算もしくは第四次補正が出た後でないとつかないと。その間は、いわゆる今津波が来るかもしれないところに住んでいる人方が情報を受ける手段がないということです。ここは国の予算あるいはその予算の流れをもう少し工夫していただきまして、先執行やあるいは目間流用といった手法もあるはずですので、今現にお住まいの方々の命を守るために、少しでも、一日でも早く、次年度予算計上を待ってなどということではなくて処置すべきと考えますが、重ねての御答弁を願います。 18: ◯消防局長(高橋文雄)屋外拡声装置につきましてはただいま御答弁申し上げましたとおりでございますけれども、さらに津波情報伝達システムの電波を受ける防災ラジオというものがございますので、新たにそういったものの導入を図ることも予定しておりまして、未設置の地区になっているそういった住宅に対しましては、そういった防災ラジオの配付なども検討してまいりたいということで考えております。 19: ◯議長(佐藤正昭)次に、加藤けんいち君に発言を許します。     〔四番 加藤けんいち登壇〕(拍手) 20: ◯四番(加藤けんいち)市民フォーラム仙台の加藤けんいちです。議長のお許しをいただきましたので、第三回定例会に引き続き一般質問をさせていただきます。  三・一一大震災から九カ月が経過をし、市街地など中心部においては震災前の暮らしに戻りつつあるものの、一方で、東部沿岸地域の方々は集団移転の課題や仮設住宅での暮らしなどまだまだ行政の力が必要であります。  今回の補正予算は過去最大の一千五十六億円余であり、これまでの震災復興関連予算は一千七百億円を超えており、一日も早い生活再建と復興を達成するための気概が感じられる提案であると思います。  また、第三回定例会の震災復興推進特別委員会において、私からも復興計画の概算事業費を明らかにし市民の皆様にお示しすべきという質問をさせていただきましたが、財政当局の御努力もあり、約一兆五百億円余の概算事業費が明らかとなり、今後は、復興計画に基づき、市民の皆様への理解も求めつつ、確実な実施へ歩みを進めていける状況になりました。改めて私も議員の一人として、一日も早い復興に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  それでは、三点に絞って質問をさせていただきます。  第一点目は、民間の力をかりた復興公営住宅の早期整備についてであります。  今回の補正予算では、東日本大震災により被災した市営住宅の修繕も含め、復興公営住宅の整備に必要な経費として六十七億円を計上しております。本市の復興公営住宅の整備の考え方は、第一弾として平成二十五年度までに六百戸を供給し、全体では二千戸の供給を予定しておりますが、六十七億円の補正予算には約半数の九百六十五戸にとどまっており、残された半数の整備計画に向けて対応が待たれるところであります。  さきに開催されました第三回臨時会において、多くの同僚議員より、被災宅地再建の対応もある中で、工事の消化能力、いわゆる業者の確保について心配される質問がありました。当局の答弁では、瓦れき回収が収束に向かいつつあることや、工事発注方法を工夫して対応していくというふうな答弁になりましたが、私自身も何名かの地元建設業者の方々から聴取をさせていただきました。その多くは、大変多忙な状況であり、働き手を確保することもままならない状況であるとのことでございました。  また、土木や建築設計が終わらなければ工事に着手できず、仕事の発注はあるものの、待たざるを得ないというお話も伺ってまいりました。今後の見通しについても、約五年程度は同じ状況が続くのではないかというお話が大半であり、復興公営住宅の整備に当たっては、地元業者を中心とした発注が望ましいものの、一方で、計画年度までのスピード感を持った整備を進めていくことを考慮すると、大変厳しい状況であります。  今後の復興公営住宅の整備に当たり、工事の発注方法や工事消化能力の確保についてどのように進めていかれるのか、改めて御所見をお伺いいたします。  一方で、事業者選定作業や計画立案、各局間との調整など、担当部局の人的な体制についても懸念されるところであります。業務量とマンパワーの整合を図り体制を強化していくことも必要であると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  本市の復興公営住宅の整備の考え方は、本市による建設を基本としており、民間住宅の買い取り等も推進していくこととしております。建設等に要する業務軽減の観点から民間住宅の買い取りは有効であると考えますが、どのぐらいの戸数を想定しておられるのかお伺いいたします。  第二段階以降の取り組みに当たり、早期の整備に向けてさらなる民間の活力を生かしていく必要があると思います。  公共施設整備における民間資金、ノウハウを活用する代表的な事業手法としては、本市も導入実績のあるPFIが挙げられますが、事業計画の検討段階における行政としての事務負担など、マンパワーとスピード感には課題があると思われます。  新たな民間活用も検討していくことも必要であると考えますが、その一つとして土地信託の活用による整備手法があるとお聞きをいたしました。PFIとの大きな違いは、民間事業者が事業の計画段階から参画し、より幅広い範囲を民間に任せる手法だと伺っております。こうした手法を取り入れることにより、震災復興における本市のマンパワーの補完、さらには事業者選定に係る事務負担の軽減につながり、早期の事業化が可能になることが想定されます。  土地信託による公共施設整備の事例には複数あり、宮城県においても平成二十一年に東京職員宿舎を整備した事例があると伺いました。今後の復興公営住宅の整備に向けて民間の活力を生かしていく一つの手法であると考えますが、本市として新たな民間の活力をどのように取り入れていくのか、御所見をお伺いいたします。  また、過日、私たち会派の基本政策を取りまとめ奥山市長に提出をさせていただきましたが、その中で、被災地における新たなニーズに対応できる要介護高齢者の入所施設の整備促進について提言をしております。本年十月より高齢者の住居の安定確保に関する法律の一部が改正され、民間の力を取り入れることにより、将来を見据え、ケア付住宅など住宅、医療、介護のサービス付高齢者向け住宅事業の進展が期待されるところでありますが、さきにも述べたとおり、復興公営住宅の整備において新たな民間活用をさらに検討していくことにより、食品スーパーや商店、テナントなど複合型の住宅の整備も可能となり、被災された方々の新しい生活や近隣住民の方々への生活全般の支援に結びつくものと考えますが、当局の御所見をお伺いをいたします。  第二点目は、省エネ・新エネプロジェクトについてでございます。  過日開催されました第三回臨時会において可決されました仙台市震災復興計画では、百万人の復興プロジェクトとして、持続的なエネルギー供給を可能にする省エネ・新エネプロジェクトについて取り組んでいくこととしております。  具体的な取り組みとしてエコモデルタウンを掲げ、非常時におけるエネルギーの確保や、非常時にとどまらず、平時においても高いエネルギー効率と経済性を両立するモデル的な取り組みを推進することとしております。  また、具体的な取り組みのもう一つとして、次世代エネルギー研究開発拠点づくりを掲げ、多様なエネルギー源の確保を目指し、大規模太陽光発電事業等の誘致の推進、藻類バイオマスの研究開発など、津波被害を受けた東部沿岸地域を中心に次世代エネルギーの研究開発拠点づくりを進めることとしております。  本復興計画では、このほか、省エネ・新エネ対応型まちづくりや新エネルギー関連産業の集積促進など、新エネルギーに対する取り組みに意欲を感じる計画でもあり、まさに震災復興のシンボルとなり得るよう、本市をエネルギー、環境技術に関する研究、開発、実証、事業化を一貫して行える研究実証都市として世界に発信していけるよう切に願うものであります。  実施計画の策定に当たり既に多くの提案をいただいているものと推察されますが、提案内容の採用に当たって、だれがどのように決定をしていくのか、そのスキームについてお伺いをいたします。また、現段階で検討している今後のスケジュールについてお示しをいただきたいと思います。  太陽光発電の取り組みについて複数の同僚議員からの質問が第三回の臨時議会においてありました。私たち会派においては、十六年前の大震災から復興を遂げた淡路市を視察をしてまいりました。  淡路市では、国の地域グリーンニューディール基金四億六千万円を活用し、一千キロワットのソーラー集積事業として平成二十二年十一月からスタートをさせました。二十年の事業計画として、土地は兵庫県からの借地をし、市役所庁舎や隣接する浄化センターに供給しており、余剰電力として年間一千万円から二千万円の収入を見込んでいるとのことでありました。  一年間二千万円の収入と仮定すると二十年間では四億円となりますが、一方では、五年に一度の部品交換などのメンテナンスが発生し、一回当たりの費用は三百万円から五百万円であり、事業費四億六千万円と比較すると収支的には課題が残ることも確認することができました。  太陽光発電は出力が変動する不安定な電源であり、日照時間の関係など気象条件により大きく左右されますが、比較的恵まれている淡路市であっても、変換効率は一八%程度であることも課題の一つであります。  地球温暖化問題の原因とされている二酸化炭素を排出しない太陽光などの自然の力による新エネルギーを活用していくことは大変重要なことでありますが、事業展開に当たっては広大な土地と建設コストが必要となってまいります。仮に八十万キロワットの発電所を太陽光発電に置きかえると、山手線の沿線内すべてに敷設しなければならないほど広大な土地が必要であります。  本市の復興計画において大規模太陽光発電事業等の誘致を推進していくこととしておりますが、事業にかかわる土地と建設コストの観点から、どのぐらいの規模を想定しておられるのかお伺いをいたします。  太陽光などの新エネルギーは、自然という不安定な存在を基盤としていることから、電力の質に大きな影響を与えると言われてございます。電気を安定して使用するためには、瞬時瞬時に需要と供給を一致させる必要があるため、需要の変動に対応できる火力発電などバックアップの電力も必要であり、太陽光発電など新エネルギーの導入に伴い火力発電などの出力を下げるとしても、電気の品質を保つために必要な発電分までなくすことができないのが現状です。  今回の震災に伴い、被災地の復興に向けて、多くの自治体で新エネルギーを活用したエネルギーの地産地消やエネルギー自給が検討されていると伺っております。自給エネルギーの度合いにより複数の事業形態が予想されますが、代表的な事業形態として、事業者が電力会社に売電する全量買取型、事業者が電力会社の流通設備を借りて供給する託送型、さらには事業者が自前の流通設備により供給する自営型などが挙げられます。  本市の復興計画において、新市街地形成が予定される地区においてエコモデルタウン事業に取り組むこととしておりますが、どのような事業形態を想定されているのか、計画のイメージについてお伺いをいたします。  また、新市街地形成が予定される地区とは、荒井東地区や田子西地区など複数の地区が想定されます。エコモデルタウン事業の取り組みに当たっては、すべての地区において計画をしていくのか、一部の地区を絞って計画をしていくのかお伺いをいたします。  さらには、複数の地区で計画していくのであれば、同様の事業形態を導入をしていくのか、もしくは地区によっては別な事業形態を導入していくのか、あわせてお伺いをいたします。  来年七月には再生可能エネルギー全量固定価格買取制度が施行されます。現時点では買取単価の単価は決まっておらず、今後経済性の検討も必要でありますが、余剰電力の売電による収入も期待できるところであります。また、電力系統と連携を図ることにより、故障やメンテナンス時にはバックアップとして利用でき、電力系統の停電時には分散型電源を非常用電源として利用することも可能となります。  特に住宅などの生活拠点にはエネルギーセキュリティーも重要な要素であり、実証試験的な事業形態ではなく、信頼度の高いネットワーク設備を中心に停電時には建物ごとに非常用の電源として活用するなど、コスト面、運用面などを考慮し、将来的な事業推進の観点からも、より実効性の高い全量買取型を中心とした事業形態の導入について検討すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。  三点目は、ジャイアントパンダの誘致についてであります。  奥山市長は、十月十七日、ジャイアントパンダつがいを無償で貸し出してほしいと中国政府に求めていることを記者団に対して明らかにいたしました。  パンダの誘致については多くの市民が関心を寄せており、私自身の活動の中で幾つもの声が寄せられておりますが、その内容はさまざまであります。パンダで観光客を呼び込むことにより集客力が高められ、経済効果も期待される、被災された子供たちに喜びと元気を与えられるといった声の一方で、なぜこの復興の時期にパンダなのか、コスト面など費用対効果はどのようになっているのかなど、慎重、推進、それぞれであります。  情報が少ない市民の皆様に対し、本市として説明責任を果たしていくことが求められていると思いますが、改めてパンダの誘致に至った経過についてお伺いをいたします。  私たちの会派では、神戸市立王子動物園を視察し、状況について説明をいただいてまいりました。来客数は誘致前の九十八万人に対し、パンダ誘致の年は百九十九万人、翌年は百七十六万人と飛躍的に増加し、現在では百二十七万人程度で推移しており、集客力には一定の成果が出ていると伺ってきました。経費については、パンダの庁舎建設やレンタル代、その他えさ代に加え、獣医、警備員の配置など管理コストにも費用が必要であるものの、神戸市としては一定の評価をされていると伺ってまいりました。  本市としてパンダ誘致による経済波及効果をどの程度見込んでいるのか、お伺いをいたします。  王子動物園では、日中共同飼育繁殖研究を目的に、二〇〇〇年七月より十年間の予定で雄・雌2頭の飼育展示を行っており、五年単位での再延長について調印をされたと伺いました。そもそも震災前の一九九三年から姉妹都市である天津市を仲介をして中国側との共同飼育繁殖研究の協議を開始し、一九九五年の阪神・淡路大震災により計画が中断されましたが、その後再度申し出を行い、現在に至っていると伺ってまいりました。  神戸市では日中共同研究を目的に進められてきており、本市とはその状況は大きく違います。地下鉄東西線の開業と合わせることで期待もできるところでありますが、さまざまな声も寄せられていることから、市民の皆様に情報を発信しつつ、時間をかけて検討していくことが必要だと思いますが、最後に市長の御所見をお伺いし、私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 21: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの加藤けんいち議員の御質問にお答えを申し上げます。  ジャイアントパンダ誘致に関するお尋ねでございました。  八木山動物公園へのパンダ誘致の経過につきましては、中国の温家宝首相が被災地を訪れた際に子供たちにパンダのぬいぐるみをプレゼントしたエピソードでありますとか、神戸市で震災後につがいのパンダが貸し出されたこともあり、今回の震災で被災をした地にも大きな夢と希望をもたらすものと考え、本年の九月、中国大使館を訪問し、大使に希望をお伝えしたものでございます。  私といたしましては、東北の地にパンダが来ることになれば、被災した子供たちが随分と勇気づけられ、喜びも大きいだろう、このように考えてございますし、また、地域経済にとっても大きな活力になるものと考えております。  しかしながら、パンダは国際保護動物であることから、クリアすべき難しいハードルが多々あるということについても承知をしているところでございます。  パンダの導入にはいろいろな方々の御支援やまた御協力が必要となってまいりますもので、今後、関係機関と調整を重ねながら、また市民の皆様への丁寧な情報の発信に努めながら、被災地に明るい希望をもたらす復興のシンボルとしてのパンダの導入の実現に向けて取り組んでまいる考えでございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 22: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、省エネ・新エネプロジェクトに係るお尋ねにお答えいたします。  省エネ・新エネプロジェクトは、エネルギー効率が高い都市を目指すエコモデルタウンの取り組みと、大規模太陽光発電事業の誘致などによる次世代エネルギー拠点づくりを推進するものでございます。これらにつきましては、いずれも民間事業者や研究開発機関が主体となって取り組むことに対しまして、本市のエネルギー課題の対応などの観点からさまざまな支援に取り組むものでございます。  現在までに複数の民間事業者から事業提案がございますけれども、本市といたしましては、復興計画期間である平成二十七年度までに事業者側の提案を精査し、本市の行政目的に資するものについて、国の補助事業などの活用による支援を決定し、その実現を図ってまいりたいと考えてございます。  また、大規模太陽光発電につきましては、特定のエネルギー源に頼らない仕組みの構築におきまして、有望なエネルギー源の一つとして各地で導入が進められているところでございます。  いわゆるメガソーラーは、我が国におきまして一メガワットから二十メガワットまで稼働または稼働予定でございまして、一メガワットの場合は約二百ヘクタールの土地が必要となります。  本市におきましてはまだ具体的に検討はしておりませんが、今後、他の地域の事例や国等の支援の枠組み、事業者等の動向等を十分に調査し、候補地や規模などについて総合的に検討しながら実現を図ってまいりたいと考えております。  次に、エコモデルタウン事業に関しますお尋ねにお答え申し上げます。  エコモデルタウンにつきましては、現時点では、田子西、荒井東の両地区におきまして、事業者が主体的にエネルギー源の組み合わせや調達方法を初めとするさまざまな検討を進めているところでございます。また、今後形成される新市街地におきましても、可能な限りエコモデルタウンの取り組みを導入してまいりたいと考えております。  しかしながら、その導入の是非やエネルギー構成などにつきましては、区画整理の施行者等が主体的に検討するものでございます。
     最後に、全量買取型への所感についてのお尋ねでございます。  この点につきましても、それぞれの事業者が、経済的、技術的な観点から、みずからの事業に最適なエネルギー受給の手法を主体的に選択するものでございます。本市において特定の手法を想定するといった考えは持っておらないところでございます。  いずれにいたしましても、復興計画の大きな柱の一つである省エネ・新エネプロジェクトを推進していく上では、民間事業者による取り組みが不可欠でありますが、本市としての役割を果たしながら民間事業者とともに実現を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 23: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、復興公営住宅に関するお尋ねにお答えをいたします。  工事の発注方法や工事消化能力の確保についてでございます。  これまでも市営住宅の整備は地元企業への発注を原則としており、地域経済の活性化の観点からも、復興公営住宅の整備は地元企業への発注を基本にしてまいりたいと考えております。  一方、地元企業は大量の民間復興需要を抱え、業務体制が限界に近いことから、大量の復興公営住宅を早期に供給するためには発注方法等のさまざまな工夫が必要であると考えております。  このため、本市による建設に加え、民間事業者等からの買い取りを進めることとし、地元業者を基本としながら、住宅施工のノウハウや体制を備えたさまざまな事業者の方から御提案をいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、整備体制の強化についてでございます。  本市が復興公営住宅を建設する場合、用地の選定や取得などこれまでの市営住宅の整備にはない新規の業務が発生するとともに、設計や工事の発注、監理につきましても、当面の供給目標量である約二千戸を整備するため、相当の業務量になるものと考えております。  このため、他都市から職員の応援もいただきながら、復興公営住宅の計画や設計等を担当する部署の人員増を図るとともに、本市による建設に加え買い取りを実施することにより、民間事業者の力を積極的に活用してまいりたいと考えております。  次に、買い取りによる戸数についてでございます。  第一段階の整備におきましては、若林西地区の約百五十戸を買い取ることとしております。  第二段階の整備におきましては、本年度中にまとめる予定の供給目標量のうち、本市がどの程度建設できるかを検討するとともに、地域バランスの観点を考慮し、買い取りの対象とする戸数を設定してまいりたいと考えております。  次に、土地信託による民間活力の導入についてでございます。  土地信託による公共施設の整備は、民間の資金やノウハウを活用して公共施設の建設や改修等を行う手法の一つでございます。  この土地信託方式は、公共施設の整備に伴う初期投資が不要で、財政負担の平準化や地方自治体の業務軽減が可能になる等のメリットがあるものの、土地の立地状況に左右され、事業に損失が発生した場合、受託者の責任は善良な管理者としての義務にとどまり、最終的な損失は委託者が負うこと、国の補助が受けられないことなどの課題もございます。  一方、復興公営住宅におきましては、建設や買い取りに対して国から八分の七の補助があり、家賃補助も受けられることから、土地信託による整備は想定しておりませんが、買い取りの実施により民間の活力を積極的に取り入れてまいりたいと考えております。  次に、さまざまな用途が複合した復興公営住宅の整備についてでございます。  東西線卸町駅や六丁の目駅周辺地区で整備を予定しております復興公営住宅につきましては、駅周辺まちづくりの観点から商業施設や業務施設などが複合した整備を検討しているところでございます。  早期供給の観点から検討や協議に要する時間が限られる状況にはございますが、その他の整備地区につきましても、できる限り地域のニーズを把握しながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 24: ◯建設局長(栗和田幸夫)ジャイアントパンダ導入による経済効果の見込みについてのお尋ねにお答えいたします。  ジャイアントパンダを飼育している上野動物園及び王子動物園につきましては、導入の初年度に入場者数が倍増しておりますことから、八木山動物公園につきましても同様に倍増すると仮定した場合、平成二十一年度宮城県観光動態調査の平均消費額などから試算いたしますと、初年度には約五十億円の直接経済効果とそれに付随する経済波及効果があるものと推計しており、その後につきましても相当の経済効果が見込まれるものと考えてございます。  以上でございます。 25: ◯議長(佐藤正昭)次に、渡辺博君に発言を許します。     〔十六番 渡辺博登壇〕(拍手) 26: ◯十六番(渡辺博)渡辺博でございます。  仙台市のホームページにアクセスすると、仙台市の都市の魅力を客観的にあらわす調査例として、ビジネスマンについてのアンケート調査の結果を表示してあります。住みよかった都市のランキングは福岡に次いで第二位、希望する都市のランキングでは札幌、福岡に次いで第三位になっております。これは議員の皆さん既に御存じのとおりであります。つけ加えるまでもないことですが、住みたい都市ランキングでも、京都、静岡に次ぎ、東京、福岡を抜いて第三位につけています。  仙台市民としてはうれしく思う一人でありますが、これらはおおよそ十年前、既に過去の調査結果でありまして、現在はどうなのだろうと思うと、まちづくりにかかわり責任を担う議員の一人として喜んでばかりもいられない、そんな思いにもなります。  ここで改めてお聞かせをいただきたいのでありますが、仙台市がビジネスマン部門で高位にランクされる理由について市長はどのように分析されておられるのでしょうか、お聞かせください。そして、今現在、どのような評価になっているとお考えかお聞かせください。  申すまでもないことですが、都市には、男女、世代を問わずさまざまな人々が生活し、離合集散しながら、多種多様多彩な活動をしております。この動きが活発になればなるほど都市の活力となり、都市のポテンシャルは上がっていくと思います。仙台市政の充実、発展のためのキーワードの一つは、都市の多様な魅力だと私は考えます。  市長は、仙台市の住みよさをどのように感じ、分析しておられるのか、まずお聞かせください。さらに、住みたいまちの仙台にするために、都市の魅力の向上について今どのようなお考えを持っておられるのかもお聞かせいただきたいと思います。  さて、仙台市が公表している仙台市すこやか子育てプラン二〇一〇に表示される仙台市の将来推計人口、年少人口と総人口の推移を見ると、平成二十三年度百三万四千人をピークに減少を始め、平成二十六年度には百三万二千人を割ることになっております。また、十五歳以下の年少人口は、平成二十一年度十三万八千人から減少を始めており、平成二十六年度には十三万人と、残念ながら着実に減り続ける傾向を示しております。  同じくプランに示されている合計特殊出生率の推移を見ても、全国平均一・三七に比べ仙台市は一・二一、宮城県の一・二九に比べても低くなっております。全国、宮城県と比較して低い仙台市の合計特殊出生率の示すこの傾向は、平成十年から変わらず今日に至っております。  まさか仙台は子供を産み育てにくいまちになっているわけではないと考えるのですが、どこに原因があると分析されておられるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。  私は、仙台市が活力を維持し、持続可能な都市として存続していくためには、子育て世代が魅力を感じるまちづくり、そして施策の強化が必要と考えます。さらに、子育て環境の整備に意を注がなければなりません。子育て環境日本一のまちづくりこそ仙台市が目指すまちの姿であり、市長が公約として掲げ市民の信任を受けた、若い力のまちの目指すところと通ずるものと考えます。市長はいかがお考えでしょうか、お聞かせください。  一方、仙台市の子育てに関しては厳しい評価もあります。子育て支援を専門にするNPO法人エガリテ大手前という団体があります。エガリテとはどうもフランス語で平等という意味のようですが、二〇〇五年から毎年公表している次世代育成環境ランキングによると、仙台市は、二〇一〇年度、十八政令市中総合ランキング十三位、そのうち、児童保育、乳幼児保育で十七位にランキングされております。  札仙広福といいますけれども、例えば札幌は十五位、広島は五位、福岡は七位、そして参考に北九州は二位であり、比較しても本市は決して高いランキングになっておりません。仙台市御当局の御努力を多とするものでありますが、次世代育成ランキングに対し、これも評価の一つと向き合う必要があるのではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。同種のデータがあるかどうか当局にお聞きしましたが、ないということでございます。  現在、本市では、児童クラブの今後の運営について具体的な項目につき議論が進行中です。社会福祉審議会分科会の専門家の皆さんの議論を注視している私は一人です。保育時間の延長、受益者負担導入はいたし方ないと考える立場ですが、一方、現在の厳しい経済環境、子育て世代の収入の厳しい現実を考えれば、特段の配慮が必要と考える立場でもあります。  児童クラブの新たなシステムを設計するに当たり、中長期的な視点が必要です。次世代育成環境の充実についてのお考えをお聞かせください。  仙台市の教育力の充実に関してもお聞かせいただきます。  本市は、仙台市標準学力検査を継続して実施してきております。この検査の目的は、児童生徒の学力の現状課題を把握すること、学校の学習指導に資する資料にすること、個に応じたきめ細かな指導をすることによって児童生徒の学力の向上を図ることにあると認識しております。  実施して数年経過し一定の評価が出てきていると思いますが、現在の御認識をお聞かせいただきたいと思います。この検査の結果がこれまでどのように生かされ、児童生徒の学力向上に寄与してきているのかもお聞かせください。  児童生徒の学力の充実を初めとした仙台市の教育力の向上は、大方の市民が求めることであり、対外的にも仙台の都市の魅力を高めるものとなると考えます。市長はいかがお考えになられるでしょうか、お聞かせください。  現在、仙台市北部にはトヨタグループ、東京エレクトロンなど世界的な企業が進出し、企業活動を開始しております。各企業で働く人々の関心事は、家族の医療環境、交通の利便性等多々ある中で、とりわけ子弟の教育環境であると聞いております。  本市は、二〇〇七年、次世代スーパーコンピューター、いわゆるスパコンの誘致競争で、最終候補地五都市に残り、最有力と言われながら、最終的に神戸市におくれをとるという苦い経験を味わっております。判定基準の項目に教育環境があり、この点が結構きつかったと巷間伝えられました。  私たちは、これまで学都仙台と自称し、大学など高等教育機関が集積していることを誇りに思ってきました。実際、大学教員数も市民一万人当たり三十八人、一位の京都五十三人に次いで第二位を占め、学生数も、一位の京都、二位の福岡に次いで三位を占めております。  しかしながら、これらのすぐれた学びの環境の高いポテンシャルが仙台市民に生かされているかというと、まだまだという感を否めません。特に本市の教育行政に関して考えれば、これからこのすぐれた教育環境を大いに生かされるべきであると考えます。学都という冠で満足するのではなく、児童生徒の教育に関して仙台市の教育力を高めるために、本市の教育行政に生かす工夫が必要と考えます。学都仙台から、市民がその恩恵を味わえる教育都市仙台へ進化することが大事であると考えますが、市長はいかがお考えになるでしょうか、お聞かせいただきたいと存じます。  去る六日、興味深い報道がなされました。内閣府が幸福度について試案をつくるというものです。報道によれば、国内総生産(GDP)などの経済統計ではあらわせない国民の幸福度をはかる指標の試案をまとめ、同日から都内で始まった内閣府経済協力開発機構など主催の幸福度に関するアジア太平洋コンファレンスで公表したということであります。  幸福度については、ブータンが国民の豊かさをあらわす指標として示している国民総幸福量(GNH)が世界的に有名で、さきに来日されたブータン国王、同妃殿下に関する報道でも改めて注目を集めました。  今回公表された指標は百三十二に上りますが、大枠で経済社会環境、心身の健康、家族や社会の関係性の三つの分類がされてあります。それぞれ、子供の貧困率、高齢者の孤立死、育児休暇の取得率、自殺者の数、平均寿命、家庭の医療介護サービス体制への満足度、地域とのかかわり度、家族生活満足度など、我々基礎自治体が政策を立て実現に取り組む項目を網羅しているように思えます。  これまで都市の比較の指標としてたまたま引き合いに出されるものとして市民経済計算があります。市内または市民一人における一年間の経済活動を、総合的、体系的にとらえたものであります。市民経済計算は、経済活動によって生み出された付加価値を、生産、分配、支出の三面から計量的に把握することで市経済の実態を明らかにし、総合的な経済指標としての基礎資料を提供することを目的としているものであります。これにより国民経済における市民経済の位置が明らかになり、他の都道府県、政令指定都市との相互比較もできるのであります。  これまで、地域分析、地域の諸施策に利用されてきた貴重な指標でありますが、しかしながら、市民生活の視点からすると実感に乏しいところがあります。これに比べて市民幸福度は生活実感に即したものであり、仙台市民にとっても対外的にもわかりやすい指標になるのではないかと考えます。まだ試案の段階ではありますが、注目すべきものであると考えます。  市長は政府の動きに関してどのような印象をお持ちになったのか、お聞かせをいただきたいと思います。私は市民生活に即したわかりやすい指標となると考えますが、市民幸福度に関していかがお考えになられるかお聞かせいただきます。仙台市の政策を立てる際の指標となり、都市の魅力を内外に発信する際の重要なツールとなる可能性を感じますがいかがでしょうか、お聞かせください。  七一・五四%、昭和二十二年四月三十日に挙行された仙台市議会議員選挙の投票率であります。四〇・〇三%、本年八月二十八日に挙行された仙台市議会議員選挙の投票率です。六十四年間でその差三二%。ちなみに、六〇・九二%、これは先ごろ行われた大阪市長選の投票率であります。前回比、一七・三一%プラスです。政治の閉塞感の打開への期待が投票率を押し上げたという分析に注目しています。  生活に一番身近な基礎自治体である仙台市の身近な市議会議員の選挙の投票率がここまで下落している意味を、私は深く考えねばならないと思っております。逆の意味で信任なのか、あるいは期待なのかあきらめなのか、それとも絶望なのでしょうか。これからの三年八カ月の任期、投票所に足を運ばなかった市民の思いにも心をいたしながら、職責を全うするため命がけの議員活動をしていかなければならないと覚悟を新たにするところであります。  以上申し上げ、私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 27: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。  都市の魅力と市民幸福度に関してのお尋ねがございました。  仙台が各種のアンケート調査におきまして住みよいまちとして上位にランクづけされておりますことは大変喜ばしいことと考えてございまして、その要因について私なりに感ずるところを申し上げますと、議員のお話の中にもございました、教育、医療関係の充実していること、また住宅地に関する価格が首都圏等に比較し安価であること、そういった生活を整える上でのバランスのよさといったことがまず一つ考えられると思うところでございます。  また、一方、都市の魅力という面から考えますと、仙台が都市として多様な魅力を備えているということもその背景にございまして、仙台の歴史と伝統であり、城下町としてのたたずまい、それらに加えまして学都としてのすぐれた知的資源の集積や杜の都としての恵まれた自然環境、さらには、商いの都、商都としての活力など、これらが総体として相まって高い評価をちょうだいしているのではないかと感じているところでございます。  国におけます幸福度に関する指標設定につきましては、仙台の都市としての魅力をある程度客観的に推しはかるという意味におきまして、意義のあるものと考えるところでございます。  今後、震災復興への取り組みを進めるに当たりましても、仙台の都市としての個性をより一層磨き上げてまいることを心がけまして、安全・安心で住みよいまちとして、仙台にお住まいの皆様、そして外から仙台においでになられる多くの皆様に御評価いただけますよう、全力を尽くしてまいる所存でございます。  次に、子育て環境の整備に関するお尋ねについてでございます。  仙台は、学都として多くの若者たちが集うまちであり、地域ぐるみで若い世代の方々を自然な形で応援していく、そのような気風が代々受け継がれてきていると私自身感じているものでございます。仙台がこれからも若い力でにぎわい、都市として活力を持続してまいりますためには、子育て世代の方々にとりましても、仙台で子育てをしたい、仙台で子育てをしてよかった、そのように考えていただけるまちづくりが大切であるということでございまして、私の公約の一つに掲げたところでございます。  市長に就任以来、保育環境基盤の充実を初めとする子育て支援策につきましては特に力を注いでまいったところでございますが、本市が活力をもって震災からの復興を着実に進めてまいりますためにも、復興を目指して働く市民の方々が子供を産み育てやすい環境を整えてまいることが重要と考えてございます。子育て・就労支援プロジェクトを初め、各般にわたります子育て環境のさらなる整備に努め、若い世代の皆様とともに仙台の復興、再生への歩みを進め、若い力が輝くまちを目指してまいりたい、そのように考えてございます。  次に、学都と教育とのかかわりに関してのお尋ねでございました。  本市は、多様な大学等の教育研究機関が集積し、そのことが教員や学生の数の多さにつながり、学都と称される都市の気風を生み出してきたものと認識をしております。こうした本市の揺るぎない都市の個性は、仙台の子供たちがこれからたくましく生きる力をはぐくみ、世界に羽ばたく環境を整える意味でも、積極的にこの活用を図ってまいるべきと考えるものでございます。  既に大学におきましては、夏休み等に子供たちの大学での研究を支援するプログラムでありますとか、また、そこに集います先生方による大学のコンソーシアムでの事業でありますとか、いろいろな形で大学としてのポテンシャルを地域に還元していただいているわけでございますけれども、今後とも教育委員会とも連携して、そうした学都としての人材を有する総合的な力を子供たちに還元できるよう、その施策について推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 28: ◯子供未来局長(佐藤清)合計特殊出生率等についての御質問にお答え申し上げます。  結婚や出産後も働き続けたいと希望する女性がふえてきている一方、不安定な経済状況などを背景として、未婚化、晩婚化の傾向が高まっており、このことが近年の少子化の社会的な要因とされております。  全国的な合計特殊出生率の傾向を見ますと、東京都の特別区など、女性の未婚率が高く、また人口に占める学生の比率が高い、いわゆる都市部において低い傾向にありまして、本市におきましても、同様の理由により全国平均や宮城県の数値と比較して低くなっているものと認識してございます。  次に、NPO法人が公表している次世代育成環境ランキングについてでございます。  このランキングは、保育などの児童福祉に関する施設の数や職員数、学童クラブ等特定の事業の数などにより、都市間の子育て環境の評価をしたものと伺っております。  具体的にどのような評価基準に基づいて順位づけが行われたものか判然といたしておりませんが、本市といたしましては、待機児童対策やのびすくなどの子育て支援施設の充実、専門の職員によるすべての新生児訪問のきめ細かな対応など指標としてあらわれない施策にも力を入れておりまして、今後とも市民ニーズに応じた各般にわたる施策の充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、児童クラブについてのお尋ねでございます。  少子高齢化が進む中で都市が活力を持って発展していくためには、次世代を育てる子育て世代が、就労しながら安心して子育てできる環境を整備していくことが重要と考えてございます。  児童クラブは、仕事と家庭を両立するために必要不可欠なサービスであり、本市としても、児童クラブの開設時間延長を初めとするサービスの拡充と質の向上を図っていくことにより子育て世代を応援する一助とすべく、制度設計に当たりましては子育て世代の負担感にも十分配慮してまいりたいと考えているところでございます。  以上です。 29: ◯教育長(青沼一民)私からは、教育に関する数点のお尋ねにお答えいたします。  まず、仙台市標準学力検査の評価と学力への寄与の認識についてでございます。  児童生徒一人一人の学力状況を詳細に把握することで、個に応じたきめ細かな指導がより効果的に行えるようになり、かつ、データをもとに学校の課題と改善策を保護者に提示するようにしたことで、家庭と学校が一体となって学力向上を図ることができたと考えております。  そのほか、ほとんどの学校で思考力や表現力などを育てるための指導改善に積極的に取り組むようになるなど、この五年間の取り組みの中で着実に児童生徒の基礎的な知識の定着が進み、応用力が身についてきたものというふうに認識しております。  次に、教育力の向上に関するお尋ねについてお答えをいたします。  未来を担う子供たちが力強く社会に羽ばたいていくための力をはぐくむことは、教育の重要な役割であると認識しております。  このため、引き続き学力検査の結果を学力向上に活用していくとともに、人や社会とのかかわりを大切にしながら、自立した大人になるための力をはぐくむ仙台自分づくり教育、学校・地域・家庭が一体となって地域ぐるみで学校教育を支え、子供たちの豊かな心を育成する学校支援地域本部の取り組みなどをさらに推進することにより、児童生徒の教育環境をより一層充実させてまいりたいと考えております。また、このことが仙台の都市の魅力を高めることにもつながるものというふうに考えております。  以上でございます。 30: ◯議長(佐藤正昭)この際、暫時休憩いたします。     午後二時四十九分休憩          ────────○────────     午後三時五分開議 31: ◯議長(佐藤正昭)休憩前に引き続き、会議を開きます。  副議長と交代いたします。     〔議長 佐藤正昭退席、副議長 木村勝好議長席に着く。〕 32: ◯副議長(木村勝好)議長と交代いたします。
     次に、小野寺利裕君に発言を許します。     〔十八番 小野寺利裕登壇〕(拍手) 33: ◯十八番(小野寺利裕)公明党仙台市議団の小野寺利裕です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  具体的な復興への予算を盛り込んだ第三次補正予算がおくればせながら国で決まり、いよいよ本格的な復興がスタートいたします。本市でも先日初雪があり、厳しい冬の到来です。私たち公明党仙台市議団も、市内のプレハブ仮設住宅を総点検し、寒さ対策も含め市や県にさまざまな要望を行ってまいりました。現在、二重窓や畳、暖房器具の配備など、住環境を少しでも改善するために急ピッチで整備が進められております。  本来であれば夏に決まっていてもおかしくないこの補正予算です。現場第一主義に徹し、被災者に寄り添い、被災者が今何に困り、どのような悩みを抱えているのかを酌み取って対応していれば、第三次補正予算がこんなにおくれることはなかったと思います。  先日の臨時議会において仙台市震災復興計画が可決されました。この復興計画の中に、震災からの復興に向けて何より重要な課題は、被災された方々の暮らしを一日も早くもとの姿に戻し、一人一人が生きがいを持って暮らせるようにしていくことです。そして、生活の再建を進めるためには、被災された方々の意向に配慮しながら、多様な取り組みを総合的に実施していくことが必要とあります。  例えば、移転の対象地区に住んでいても現地での生活再建を希望する人もいれば、また、対象外に住んでいても移転を希望する人もいます。それぞれ個々の状況がさまざまであります。よりきめの細かな対応が必要になってきます。これからが非常に大事な段階に入りますが、初めに、これからの復興にかける奥山市長の御決意をお伺いいたします。  次に、災害時の帰宅困難者の対応について五点お伺いいたします。  一つは、帰宅困難者の数についてでありますが、今回の震災は平日の午後に発生したこともあり、多数の帰宅困難者が発生し、駅などの交通結節点近くの避難所から人があふれるという状況が発生いたしました。  本市では、通勤や通学に加え、観光やビジネス、買い物、通院などで訪れる人も多く、帰宅困難者の発生時における事業者の果たすべき役割や一時避難所の確保などについても検討が必要であると思います。発災当日、ほとんどの交通機関がストップしたため通勤通学者の足が奪われ、多くの帰宅困難者が生じました。このときの本市での帰宅困難者はどれぐらいいたのかお伺いいたします。  二つは、支援ステーションについて伺います。  他都市では、災害時帰宅困難者対策として、例えば、コンビニエンスストアや飲食店などの協力を得て、徒歩帰宅者にトイレや水道水、またラジオによる災害情報などを提供する拠点として支援ステーションを設置しているところもあります。災害時、少しでも混乱を避けるため、本市においても、このようにデパートや大型スーパー、コンビニエンスストアや飲食店などを災害時の支援ステーションとして利用できるように協定を締結すべきであると思いますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。  三つ目は、企業の協力についてであります。  地震の発災時、むやみに移動を開始しないことも混乱を避ける意味において大事なことであります。企業に対し、帰宅時間をずらしたり、三日間ぐらいの食料と水を備蓄し、職場に宿泊できるようにするなどの対応を呼びかけることも大切であると思いますが、御所見をお伺いいたします。  四つ目は、情報提供についてですが、交通機関の運行状況など災害時の正確な情報伝達を確保するため、避難所となる施設に自家発電装置を整備し停電時でも情報提供できるようにすることや、駅や駅周辺など混雑が予想される場所でも多くの人が災害情報を確認できる大型モニターの設置なども重要と考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  五つ目は、避難所の拡充についてでありますが、災害当日はどこも大混雑で、車の渋滞や歩道も帰宅する人であふれておりました。そして、ほとんどの人はとりあえず指定避難所となっている近くの小学校や中学校に避難をした人が多かったため、どこの避難所も満杯で中に入れなかった人も大勢いました。私の地元でも、日が落ちて寒くなってきている中、小さな子供を抱えて指定避難所に入れなくて困っている人をたくさん見かけました。幸い近くに民間の施設が避難所として開設していたので、そちらに誘導いたしました。  発災時には、一時的であっても、特に雨や風、寒さから身を守る場所が必要であります。地域にある市民センターやコミュニティ・センターなどの公共施設を避難所として利用できるようにするとともに、さらに、映画館やコンサートホール、大学などと協定を結び、一時宿泊や避難所として利用できるように整備することも重要なことであると思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、災害時における障害者支援について三点お伺いいたします。  折しも本日は障害者の日であります。昭和五十年に国連総会で障害者の権利宣言が採択された日でもございます。今回のように大地震など大きな災害が起こった際、障害者が自分の力で被災状況を把握したり避難所へ移動することも難しい場合があります。こうした障害者などの災害弱者を守るのは政治の責務であります。そこでお伺いいたします。  一つ目は、災害時要援護者の登録についてですが、今回の震災時、本市においての障害者の安否確認は、まず災害時要援護者の登録をされた障害者への安否確認がなされました。また、障害福祉サービスを利用されている方や、また民生委員、児童委員、地区社会福祉協議会、町内会など地域の団体、支援団体、ボランティアなどさまざまな主体によって安否確認が行われたわけでありますが、しかし、今回は気になることがあります。災害時要援護者の登録数が四百名に満たない状況だったことであります。まだ登録制度そのものを知らない人も大勢いるようであります。  個人情報の保護という問題もありますが、人の命にかかわることです。本人はもとより、障害者の家族、団体、事業所などへの周知徹底を図るとともに、もっと登録しやすい仕組みをつくることが大切だと思いますが、御所見をお伺いいたします。  二つ目は、障害者に関する防災マニュアルについてお伺いいたします。  現在本市で作成している防災マニュアルには、障害者用はございません。例えば特別支援学校では、学校にある防災マニュアルに沿って防災訓練が行われています。また、特別支援学級での防災訓練も、その学校ごとに健常者と一緒に行うところがほとんどで、それぞれが独自に行われているのが現状であります。家に戻ったときに、本人や家族、災害時の防災のあり方を確認するためにも、障害者防災マニュアルを作成することは大事なことであります。  また、災害時、障害者側から見れば、その障害の状況によってきめ細かな対応が必要になってきます。例えば視覚に障害のある方は、ふだんの生活ではどこに何があるか大体頭に入っているとお聞きいたしますが、災害があるとまちの様子は一変します。自分で行動することが難しく、他の人の誘導が必要になってまいります。また、聴覚、音声言語に障害のある方は、手話や筆談で文字や絵を組み合わせての意思の疎通が必要になってまいります。また、肢体不自由の方、心臓、腎臓など内部に障害のある方、知的障害、精神障害のある方、難病疾患の方々もいます。  災害時はそれぞれの障害に応じたきめの細かな対応が必要になってまいります。また、地域においても支援をする人たちも、このようなさまざまな対応を学んでおく必要があると思います。障害者防災マニュアルを作成し小冊子にし、本人や家族、関係団体または事業所等に配付し、障害者の方々が今回のような大震災が起こってもスムーズに避難できるような体制をつくるためにも、このようなマニュアルの作成は大切であると思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。  三つ目に、防災カードについてお伺いいたします。  例えば、担当局が窓口で、氏名、年齢、血液型、治療を受けている病名、かかりつけの病院、服用している薬、健康保険証などの番号、障害者手帳の番号、また必要とする援助などが記入できるような防災カードを作成、配付し、そのカードに本人が記入して災害時携帯して避難すれば、いざというときに支援が受けやすくなると思います。防災マニュアルとセットにしてもいいと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、障害者の避難所について六点伺います。  一つ目は、福祉避難所の利用数と整備拡充について伺います。  今回の発災時は、ほとんどの障害者の方々はとりあえず小中学校の指定避難所へ身を寄せるしかありませんでした。しかし、体育館などのトイレがバリアフリー化されていないなど施設の問題や、周囲から障害者として理解されないこともあり、いづらかった人もいたようであります。  本市で開設した福祉避難所は、当初五十二カ所で二千六百人が入所できるということでございましたが、実際は四十カ所で述べ二百八十八人でした。なぜこのように利用者が少なかったのかお伺いいたします。  また、一部の学校では教室や医務室を福祉避難所としたところもあったようでありますが、それでも多くの障害者の方は行き場を失い、自宅等で生活をせざるを得ない状況だったとお聞きしております。福祉避難所の整備拡充を求めますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  二つ目に、指定避難所のバリアフリーについてですが、本市では、福祉避難所の利用については、一たん指定避難所に避難してから必要と思われる人が福祉避難所へ移動するという流れになっております。しかし、実際は指定避難所のバリアフリー化が進んでいないところが多く、大変不便を感じたと聞いております。すべての指定避難所は障害者の方も利用できるようにバリアフリー化すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  三つ目に、福祉避難所の周知と旅館、ホテルとの協定についてお伺いいたします。  今回の震災で、障害者が対象とされた福祉避難所へ高齢者の方の入所が多かった一方、障害者の利用は少なかったとの所見も出ているようですが、福祉避難所はある程度専門性があると私も認識しております。福祉避難所の利用の対象を明確にして、さらなる市民への周知徹底を図るべきと思います。  また、これら高齢者の方々は、体育館などの指定避難所では避難生活が困難だと思われた方だと思います。このような方のためにも、以前、私も議会で何度も当局に求めてまいりましたが、高齢者、妊産婦のプライバシー確保のためにも、例えば旅館やホテルの空き部屋を避難場所として受け入れてもらえるよう協定を締結すべきと考えます。再度強く求めますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  四つ目に、障害者理解について伺います。  現在、本市の小中学校の特別支援学級、そして特別支援学校に通っている児童生徒が千六百八人います。震災時にほとんどがそれぞれの指定避難所での避難生活になりましたが、ある自閉症の子は夜になると奇声を上げる特異性があるため、周りの避難住民から苦情があり、結局は避難所を出ざるを得なくなり、危険な自宅での避難生活を余儀なくされたといいます。当然、周りの人が障害者としての理解をすることも大切なことであります。本市として、障害者の理解を促進するさらなる取り組みが必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。  五つ目に、特別支援学校の避難所開設についてですが、本市には災害時障害者の避難所として、先ほども触れましたが福祉避難所があります。あわせて、特別支援学校や特別支援学級に通っている児童生徒を受け入れる施設が必要であると思います。  この震災で特別支援学校が避難所として開設していればどんなに助かったかわかりません、このような相談を何度も受けております。災害時、このような子供たちを受け入れる避難所として特別支援学校を開設するべきと考えますが、いかがでしょうか。これに関しては、我が会派の同僚議員がこれまでも市に求めてまいりました。改めて強く求めるものでございます。改めて県の特別支援学校にも開設を求めるべきと思います。また、小中学校の特別支援学級も災害時の避難場所として開設することも大切なことであると思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  次に、被災者支援システムについてお伺いいたします。  今回の支援で被災者から最も苦情が多かったのが、り災証明書などの発行や義援金の支給に余りにも時間がかかったことであります。津波で一瞬にして家を失い、仕事を失い収入が絶たれた人からすれば、り災証明書の発行まで二、三カ月もかかり、さらに義援金の支給まで二、三カ月もかかるのでは、それまでの間どうやって暮らしていけばいいのか、大変不安に思うのは当然であります。また、困っている方もたくさんいらっしゃいました。なぜそのように時間がかかったのか、原因がどこにあったのかなど、この問題について本市としてどのように総括しているのかお伺いいたします。  そこで、スムーズな手続を実現しようとさまざまな被災地で導入されているのが被災者支援システムでございます。このシステムは、災害発生時の住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳をつくり、家屋の被害、避難先、犠牲者の有無、口座番号、り災証明の発行状況などを一元的に管理するもので、氏名などを端末に打ち込めば被災関連情報をすぐに見つけ出すことができるものです。例えば被災者が義援金を受け取るために必要となるり災証明書の発行には、住民基本台帳、家屋台帳、被災状況という三つのデータベースを確認、照合する必要がありますが、従来型の仕組みではこれらが別々に存在するため発行に手間取り、窓口に長蛇の例ができてしまいます。これに対し、このシステムでは、データを一括して管理することでその都度確認、照合する手間が省け、スムーズな発行業務につなげられるものです。  この被災者支援システムは、既に一九九五年の阪神・淡路大震災の直後に兵庫県西宮市で開発されたものです。私たち公明党としましても、既に三月の段階で市にこのシステムの導入を強く求めてまいりました。今回の大震災の被害の大きさを見れば、なぜ本市でこのシステムを導入することを考えなかったのか、御所見をお伺いいたします。  また、職員がシステムの稼働の業務を行えば、導入コストはゼロで済むと言われております。民間企業に委託しても委託費は数十万円程度で済み、新たな設備の導入も特に必要なく、既存のパソコンがあれば十分に対応できるものです。ある自治体では、このシステムに接続した端末を各所に設置することで、場所が離れていても確認作業などで手間取ることなく、り災証明書の発行とほぼ同時に義援金が振り込めるようになったといいます。特に今回のような大災害時にはこのようなシステムの導入が必要であると思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。  最後に、大震災から九カ月がたとうとしていますが、私の周りには、津波で親を失った児童や、すべての財産を失い仮設住宅に住んでいるお年寄りや、小さな子供を抱えて仕事を失い、今後の生活の道筋が全く立っていない人がたくさんいらっしゃいます。大切なことは、私たちが被災者に寄り添い、思いを共有し、ともに前に進んでいくことだと思います。その意味からも、私たち地方議員に課せられた使命は大きいと思います。被災された方々の涙を笑顔をに変え、一日も早く生きがいを持って暮らせるように、私も微力ではありますが、全力で取り組んでいくことをお誓いし、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 34: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小野寺利裕議員の御質問にお答えを申し上げます。  今後の復興に向けた取り組みに関するお尋ねでございます。  五月下旬の復興座談会を皮切りに、本市の震災復興計画づくりは、市民の皆様との対話を丁寧に積み重ねながら進めてまいったところでございます。その根底にございますのは、すべての仙台市民が一丸となって復興、再生を進めてまいりますためにも、きめ細かく皆様の思いを酌み取ってまいりたいとの願いでございます。  計画はいよいよ実行の段階を迎えたところでございますが、被災された皆様の生活再建への道のりは一様ではなく、お一人お一人の状況に思いをめぐらして細やかな対応が肝要であると考えているものでございます。  御指摘にございました住まいの再建につきましては、個々の皆様のさまざまな事情もございますことから、十分に御納得をいただいた上で事業を進めることができますよう、これからも丁寧な御説明にさらに努めてまいる考えでございます。  被災された皆様の一日も早い暮らしの再建に向けまして、本市の復興に向けた決意を新たに、全庁力を合わせて復興への歩みを加速させてまいる決意でございます。  私からは以上でございますが、このほかの御質問につきましては関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 35: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、被災者支援システムの御質問についてお答えいたします。  本市におきましても、議員御指摘のシステムの導入につきまして検討したところでございますが、区役所制度に対応させ、膨大なデータを取り込むためには大規模なソフトの改修が必要となるなど、稼働までに数カ月の期間を要することが見込まれたものです。り災証明発行や義援金の業務は早期の対応が求められておりましたことから、このシステムの導入を断念し、既存の各業務システムの改修などにより対応したところでございます。  今後につきましては、今回の震災の教訓から、区役所制度に対応したシステムの導入が必要と考えており、このような観点から他の政令指定都市とも意見交換などを行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 36: ◯財政局長(山内晃)り災証明発行手続についての御質問にお答えします。  り災証明の発行までに期間を要した点についてでございますが、り災証明の申請が当初の想定を超える二十三万件以上となったことに加え、六月からの高速道路無料開放などに伴う届出証明と合わせて五十万件を超える膨大な件数に上ったことや、内部調査を要する再調査も三万件を超え、丁寧な説明や日程調整に時間を要したことなどが大きな要因と考えております。  このような状況ではございましたが、迅速な処理を行うために、他都市や国、県の税務部門、庁内全般や臨時職員など大量の応援人員により体制を強化し、また調査手法についても、外観調査を基本とすることや被害が軽易なものについては調査を簡略化して発行するなど、さまざまな取り組みを進めてきたところでございまして、り災証明の発行は九七%を超え、申請についても年内には収束する見込みとなったところでございます。  以上でございます。 37: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、健康福祉局に係る大きく二点の御質問にお答えを申し上げます。  初めに、災害時における障害者支援に関する一連のお尋ねでございます。  まず、災害時要援護者の登録についてでございますが、この制度は、地域の共助体制のもと、災害時に支援が必要な方々を事前に把握するため、自主的に御登録いただくものでございます。  御指摘のとおり個人情報の保護の問題もあり、登録が進んでいない状況ではございますが、今後、各種障害者団体等の協力も得て工夫改善を図りながら、さまざまな機会をとらえて趣旨の周知を図り、登録者数の増加に努めてまいりたいと存じます。  次に、障害者防災マニュアル、防災カードについてでございます。  このたびの震災を教訓に、障害の特性等に応じたマニュアルの作成及びその活用を図ることは、障害者や家族、支援に当たられる方々の防災意識を高め、災害に対する備えを促す有効な手法の一つであると認識してございます。  また、防災カードにつきましては、障害者団体によっては独自に作成し、イベント等において普及に努めているところもございます。  今年度、仙台市障害者施策推進協議会において災害時における支援のあり方について議論してまいりましたが、今後は御指摘の点も十分踏まえながら、具体的な施策について検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、障害者の避難所についての御質問にお答えを申し上げます。  まず、今回の震災において福祉避難所への避難者数が少なかった理由についてでございます。  本市では、震災以前より障害者福祉センターや特別養護老人ホームなど五十二カ所を福祉避難所に指定しておりましたが、施設側の介護職員の不足や食料の確保が困難でございましたことなどから、避難者数が計画よりも少なかったところでございます。  また、福祉避難所の拡充につきましては、今回の震災を契機に、医療的ケアが必要な方や認知症高齢者に対応するため、介護老人保健施設や認知症高齢者グループホームを新たに協定を締結したところでございます。  しかしながら、障害者につきましては、協定施設が少なく、必ずしも十分な対応ができなかったものと認識しておりますことから、今後は、障害者個々の特性に応じた対応が可能となりますよう、福祉避難所の拡充に努めてまいりたいと存じます。  次に、高齢者等の避難先として旅館等の利用についての御質問にお答えを申し上げます。  本市では、身体障害者用トイレや浴室などのバリアフリーの設備を備え、要援護者のケアを行う職員が配置されている福祉施設を中心に、福祉避難所として確保してまいりたいと考えております。  旅館やホテルなどの避難所としての利用につきましては、一般利用客との調整や介助者の確保などの課題もございますが、御指摘のように災害時には避難所としてのニーズもあると考えられますことから、市内の旅館、ホテル等の団体と協議をしてまいりたいと存じます。  次に、障害者の理解促進に向けた取り組みについてでございますが、災害時にありましても障害者の地域生活を確保するためには、社会全体として障害そのものと障害のある方に対する理解を深めていくことが重要であると認識しております。  これまでも障害者スポーツ大会や障害者週間での各種イベントなどを通して理解の促進を図ってきたところでございますが、障害の種類が多様化してきておりますことから、各種障害者団体とも意見交換しながら、さまざまな媒体や機会を活用した普及啓発を行い、さらなる理解促進に努めてまいりたいと存じます。  次に、災害時における特別支援学校等の利用についてのお尋ねでございます。  今回の震災におきましては、指定避難所での共同生活が困難な障害者の方の中には、日ごろから利用している通所施設に自主的に避難した方もおり、特別支援学校や小中学校の特別支援学級に通われている児童生徒や保護者の方々にとりましても、ふだん通いなれた学校であれば気兼ねなく安心して避難できるものと考えられます。  障害者の避難所をふやすためには、こうした特別支援学校等も受け皿として有効であると考えておりますことから、まずは教育委員会と協議を進めてまいりたいと考えております。  最後に、義援金の支給に時間を要した理由についてでございます。  義援金の申請件数が、り災証明書の発行の伸びに伴い急激に増加したため、人的体制の整備が追いつかなかったことや、具体的な審査の段階におきまして、同一世帯からの重複申請の有無や世帯主の確認事務等が膨大となりましたことが支給に時間を要した主な要因と考えております。  その後、職員の増員を初め、他都市からの応援職員や臨時職員の活用による人的体制の強化と入力業務の外部委託などにより、現在では宮城県からの配分金額に対し九割を超えた支給率となっております。  今後も義援金が一日も早く被災者のお手元に届きますよう鋭意努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 38: ◯消防局長(高橋文雄)帰宅困難者と避難所のバリアフリー化に関する御質問にお答えいたします。  まず、災害時の帰宅困難者の対応に関する数点の御質問についてでございます。  初めに、帰宅困難者の数についてでございますが、このたびの震災におきましては、交通機関の不通などにより、市民の方々を初め市内に通勤されている、あるいは観光等で訪問されていた方々が、指定避難所を初め公共施設や宿泊施設などにも避難をされました。  こうした施設においては地域の方々と帰宅困難者が混在し、正確な数の把握は極めて困難でございます。しかし、今後の帰宅困難者対策を考える上では、その概数を推計することが重要と認識しており、現在実施している市民アンケートにおきまして帰宅状況に関する項目を設けるなどしており、帰宅困難者の推計を試みてまいりたいと考えております。  次に、支援ステーションについてでございます。  帰宅困難となった方々にとって、食料や水、そして正確な災害情報などは、災害時に自分の安全を守る上で極めて重要となりますことから、既に事業者と協定を締結している他都市の事例も参考にしながら、災害時の混乱を避けるための方策の一つとして検討してまいりたいと存じます。  次に、企業の協力でございますが、御指摘のとおり、大規模災害発生時に会社にとどまっていただくことも帰宅困難者対策においては大変重要であると認識しております。こうした対策においては企業側の協力が不可欠でありますことから、事業所等に対しまして、食料や水の備蓄、帰宅時間をずらすことを呼びかける方策など幅広く検討してまいりたいと存じます。  次に、帰宅困難者への情報提供についてでございます。  交通機関の運行状況などの情報を速やかに提供することも、混乱を防ぐ方策として大変重要と認識しております。こうしたことから、帰宅困難となった方が身を寄せる避難所においては、停電時でも情報収集などができるよう、急ぎ発電機やテレビを配備してまいりたいと考えております。  大型モニターの設置につきましては、事業者の協力が不可欠であるなどの課題はありますけれども、既存施設の活用も含め研究してまいりたいと存じます。  次に、避難所の拡充についてでございます。
     このたびの震災では、市中心部の指定避難所へ帰宅困難者が殺到した等の課題がありました。こうした方々への避難場所の確保のため、市民センターなど既存の市有施設や公的施設、さらには鉄道事業者、商業施設や宿泊施設等の活用のあり方につきまして、関係部局とともに取り組んでまいりたいと存じます。  最後に、指定避難所のバリアフリー化に関する御質問にお答えいたします。  本市では市立の小中高等学校を指定避難所としているところでございますが、これら学校施設の屋内運動場は、ひとにやさしいまちづくり条例を契機に、新築、改築に合わせてスロープや手すりの設置、段差の解消、ひろびろトイレの整備など、順次改善が図られてきたところでございますが、こうした中、バリアフリー化が図られていない避難所では、障害をお持ちの方には大変御不便をおかけしたものと認識しております。  今後、避難された方々が少しでも快適に過ごすことができるよう、関係部局と連携を図りながら、屋内運動場の新築、改築に合わせてバリアフリー化を進めるとともに、その他の既存の施設の整備の可能性についても探ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 39: ◯十八番(小野寺利裕)私の方からは、再度、被災者支援システムについて質問させていただきます。  例えばこの支援システムというのは、神戸、淡路の震災直後にこれは開発されたものでありまして、もう十年以上前から開発されているものでございます。本来であればもっと早い段階で、この震災、地震が起きるということが想定されていたわけでありますから、もっと早い段階でそういうことが検討されてもいいのかなと、こういうふうにも思います。  大事なことは、私は、私もそうでありますけれども、現地に赴いたときに、本当に被災された方々が大変な思いをして、すべてを失って、あしたからどうやって生活をしていったらいいかわからないという方がたくさんいらっしゃったわけです。そういう方々に対して、とにかく早く、スピードが大事になってくるわけでございます。そういうことも含めて、どうかそういう方が大変な思いの中で被災をされた方々がいらっしゃったということをどうか酌み取っていただいて、この被災者支援システムについての取り組み、もう一度改めて答弁を願いたいと思います。 40: ◯震災復興本部長(山田文雄)ただいまの被災者支援システムの件のお尋ねでございます。  確かに今回の震災におきまして、それより前にあらかじめこういったシステムの導入の検討を進めておくべき、こういった反省もございます。残念ながら今回の震災におきましてはそういった活用ができなかったわけでございますけれども、これからいつ何どきこういった災害が起きるかわかりません。そういう意味で、先ほど御答弁申し上げましたけれども、特に今回のシステムの検討に当たりまして、区役所制度といった固有の条件が非常にシステムに大きな影響を及ぼすということが判明しましたものですから、そういったところを含めまして次の備えのために、ほかの政令市とも連絡をとりながら次の体制に努めてまいりたいと思います。 41: ◯副議長(木村勝好)次に、すげの直子君に発言を許します。     〔二十一番 すげの直子登壇〕(拍手) 42: ◯二十一番(すげの直子)日本共産党仙台市議団のすげの直子です。子育て世代に冷たい奥山市長の姿勢を正す立場で一般質問いたします。  子供の貧困が大きな社会問題になる中、国や自治体が子供と子育てを支援する施策の充実が求められています。  東日本大震災後、本市で被災に伴う保育料の減免を受けているのは千二百七十二件になっています。また、住宅に被害を受けたり所得が激減して被災に伴う就学援助の特例を申請した件数が五百三十件を超え、今年度、要保護、準要保護世帯は十一月現在で既に一万件近くになっています。震災が子育て家庭にも大きく影響を与えていることがここからもわかります。  就学援助の被災に伴うこの特例制度は、国において二〇一四年度まで延長することが既に決まっています。震災からの生活再建を進める上で、こうした取り組みこそ求められています。  また、今議会には学校条例の一部を改正する条例が提案されています。第三回定例会では二〇一二年度の高校入試に係る選抜手数料だけが減免対象となり、今回は入学金、授業料も減免するというものです。二回の議会にわたっての条例改正になったのは、仙台市が県の態度待ちになったからです。国や県の姿勢を待つだけでなく、積極的に子育て家庭を支える施策が必要です。それなのに、市の独自施策は市民に負担増を求めるものばかりになっています。  その一つ目として、市は、子供の医療費助成制度に一部負担金を設けることを予定どおり年明けから実施しようとしています。特にこれまで無料だった三歳から就学前までについては新たな負担を強いるという、子育て支援と逆行したものになっています。  対象となる方々に、過去三カ月間で、初診料五百円の場合、どのくらいの負担になるのか試算してもらいました。ある方は子供二人で千円、またある方は子供二人で五千五百円、子供一人で二千五百円という結果でした。子供がかかるのは一つの科と限りません。小児科、皮膚科、耳鼻科と各科にまたがれば負担はかなり大きくなります。  三歳ごろは幼稚園など集団生活にも入る時期。病気がうつったりと通院する頻度が高くなる。なぜ三歳から自己負担なのか。対象年齢は上がってもとても制度の拡充と思えないという声が上がっています。一部負担を課すことは、制度の趣旨を大きく後退させるものです。しかも、震災からまだ一年もたたないうちにこうした改悪をすることは、市民の暮らしを顧みない、全くひどい仕打ちではないでしょうか。奥山市長に伺います。  政令市の中でも、自己負担を設けていない市が七市あります。仙台市とほぼ同じ財政規模のさいたま市は、自己負担も設けず、通院も入院も中学校卒業まで無料としています。こうした実践をしてこそ、子育て支援に力を注いでいると胸を張ることができます。  私たち日本共産党仙台市議団は、今議会に通院、入院とも市が提案している年齢拡充は行って、一部負担は設けないとする条例提案を行っています。一部負担を求める市の考え方が示されたのは三月の震災より前でした。子育て家庭をめぐる環境はさらに激変しています。市長のお考え一つで、年齢の拡充は行って一部負担の導入は撤回しても、だれも文句は言いません。こうした決断と転換は、どんなに期間が間近であろうと市民は大歓迎することでしょう。子供を抱えて震災の不安や恐怖を乗り越えてきた多くの若い世代を励まします。一部負担金の導入はやめるべきです。いかがでしょうか、伺います。  市民からお金を取るよりも、まず力を注ぐべきは、宮城県の対象年齢を引き上げ、余りに低い所得制限を仙台市並みにさせることです。宮城県の制度は、通院二歳、入院就学前と、四十七都道府県中最低の水準です。県がせめて通院の対象年齢を就学前までに引き上げれば、本市への県からの補助金は五億円近くふえることになります。市民に一部負担を求めることで市の出し前が減るのは約二億六千万円という試算ですから、県の制度の拡充こそが本市にとってもプラスになります。  市長は、市民に負担を求めることをやめる決断をして、宮城県に制度の拡充を強く働きかけるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  次に、児童館、児童クラブの有料化と時間延長についてです。  保育所を必要とする児童が多くなるのに伴って、学童保育の重要性はますます高まっています。今年度、児童クラブの登録児童数は五千九百人と年々ふえ続け、さらに、希望しても登録できない児童もいます。  厚生労働省が示している放課後児童クラブガイドラインでは、放課後児童クラブにおける集団の規模についてはおおむね四十人程度までとすることが望ましい。一クラブ最大でも七十人までとすることとされています。  仙台市の児童クラブで七十人以上のところは二十五クラブあり、そのうちサテライト室も設置されていないクラブが十三カ所もあります。施設の基準もないことから、児童館の施設形態も多岐にわたり、すし詰めの保育が行われているところもあります。外で遊べないときは五十人以上が狭い室内でひしめき合い、けがをするのではないかとはらはらしているという状況です。国の補助基準を満たしていない児童館、児童クラブが二十七カ所と、実に全体の四分の一にも上っています。専用室がない、専任の指導員がいないなど、仙台市の学童保育に対する位置づけが国と比べても余りに低いことがそもそも問題です。  児童館、児童クラブは、放課後のわずかな時間だけ安全に過ごせればいい場所ではありません。長期休暇も含め、学校以上に長い時間生活する場所です。一人一人の成長、発達を促し、保護者の就労を支援する役割を持つという認識を持ち、市として学童保育にふさわしい施設のあり方や運営についてきちんと基準を持つことが必要です。お考えを伺います。  時間延長は利用者にとっての切実な願いになっています。夕方六時までのお迎えができなければ、低学年の児童が四時半や五時に一人で帰宅して留守番するなど、子供の安全にもかかわる問題です。夏休みなどの長期休暇中も九時の開始では、働く保護者の実態に合っていません。  先日、仙台市学童保育連絡協議会が行った学習会でも、参加した保護者の方から、とても六時までにお迎えには行けず、友人三人でローテーションを組んでそれぞれの子供たちを引き取ったり、ベビーシッターを探したという意見が出されていました。  厚生労働省の最新の調査でも、学童保育の終了時刻が六時半以降が全体の半数を超えています。一日六時間を超え、かつ午後六時以降も開設している学童保育には、国から長時間開設加算として補助金の加算も行われています。学童保育の開設時間を働く保護者の実態に合ったものにすることは、既に何年も前からの課題になっています。時間延長を求める声に早急にこたえるべきです。伺います。  そのためにも、必要な指導員を加配できる委託料を保障することが必要です。さらに、指定管理者に委託するときに、専任の指導員を確保することを条件として、学童保育指導員として専門性を高め、働き続けられる環境を整備することが求められています。今でも児童館で働く職員は、低い委託料のもとで低賃金で働いています。こうした改善を行うことが本市の学童保育の質の向上には欠かせません。いかがでしょうか、伺います。  学童保育として必要な施設のあり方や運営の基準も示さず、有料化の議論をすることが間違いです。専門分科会に示している市の自己負担の考え方も、当初八千七百円だったものが、五千円にプラス延長分で千円など、二転三転しています。本市の学童保育をどういう施策として今後充実させていくのか、そのことがきちんと根底に据えられていないことのあらわれです。そもそも児童クラブに十一億円かかっているという、子供未来局長が突然言い出したことの根拠自体があいまいです。  学童保育連絡協議会が行ったアンケートでは、二十代では半数以上が年収三百万円以下であり、母子家庭の四割が正規雇用であるにもかかわらず、八割が年収三百万円以下で暮らしているなど、子育て家庭の暮らしは本当に厳しくなっています。有料化を導入した他の自治体で学童保育を退会した児童が一割から二割いたということも、当局は把握されています。学童保育を必要な家庭が、有料化によってその支援を受けられないことがあってはなりません。  そもそも児童クラブの大規模化の解消や、専用室や専任指導員の確保について、何ら具体の解決策を示さずに、とても有料化を議論できる段階ではありません。いかがでしょうか、伺います。  子育て世代に対する市の冷たい姿勢はこれにとどまりません。南光台北保育所と中山保育所の民営化を進めることは、現在でも被災して仮設保育所に通っている保護者と子供たちに余計な負担と不安を与えています。  これまで市は、民営化を進める理由として公立保育所の建てかえに経費がかかることを挙げていました。しかし、震災で被災したこの二つの保育所の建てかえについては、ほとんど国の災害復旧費で賄うことになっています。両保育所ともこれまで四回の説明会が行われていますが、どちらも保護者の同意も納得も得られていません。保護者の疑問にきちんと答えず、強引に民営化を進めるのはやめるべきです。  震災時、大きな被害を受けた保育所にいた子供たちは、その後も余震に強くおびえて泣いたり、母親から離れられなくなるということもあったそうです。保護者と保育士の支えでようやく笑顔を取り戻しつつある子供たちにまた民営化で大きな負担を与えるなど、非情とも言えるやり方です。南光台北保育所の説明会では、保護者会の会長が保護者の声を代表して、民営化は反対ですとはっきり表明されています。こうした声をきちんと受けとめて民営化は撤回すべきです。お答えください。  今やるべきことは民営化ではありません。市民の声にこたえて待機児童を解消するために、国も自治体も力を注ぐことです。保育所の待機児童がふえ続けている問題は、現行の保育制度のせいではありません。雇用破壊が子育て世代の暮らしを厳しくし、両親ともに働かなければ生活できないため保育所入所の希望がふえていること。生き方として、結婚した後も仕事と子育てを両立させたいと願う女性がふえていること。こうした社会の要請にこたえず、国も自治体も認可保育所をふやす努力を怠ってきたことが待機児童を増大させた原因です。  日本は、国際的に見ても保育にかかわる公費負担が少なく、親の負担が高いという特徴を持っています。二〇〇六年のデータでも、保育の経費にかかわる公的支出割合はOECD加盟国の中で最下位です。国と自治体の責任で、公立保育所も含めて認可保育所を思い切って増設することが必要です。また、国際的に見ても低過ぎる保育所の職員配置の基準を引き上げることや、保育の現場で働く人たちの賃金を保障し、専門性を高め、安定性や継続性など保育の質の向上を図ることが求められています。  何よりも未来を担う子供たちの成長、発達を保障するために、国が思い切って財源を保障することこそ必要です。国に求めるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  逆に、公的保育制度を解体し、一層の市場化を進めようと政府が導入をもくろんでいるのが子ども・子育て新システムです。  この新システムは、国と自治体の保育を実施する義務を事実上なくすものです。市町村の仕事は保護者の就労時間に応じた保育の必要性の認定、要保育度認定と、認定に応じた補助金の支給に限定されます。認定を受けた保護者は、自分で保育所を探し、保育所と直接契約をしなければなりません。この契約に市町村は関与せず、認定を受けても保育所に入れないのも自己責任とされてしまいます。障害を持つ子供や虐待を受けるなど配慮を必要とする子供たちに対して、事業所側が契約を結ばないおそれも出てきます。  また、これまで応能負担が原則とされた保育料に、保育を受ける時間の長さによって負担がふえる応益負担が持ち込まれます。保護者の所得によって子供が受けられる保育に格差が生まれ、負担の重さに必要な人が保育を受けられない事態がつくられてしまいます。  保育所の最低基準を取り払い、保育分野にさらに企業が参入しやすい仕組みをつくるのも大きなねらいになっています。国や保護者から支払われたお金を企業が勝手に保育以外にも使えるように変えてしまったら、結局、保育士の賃金が引き下げられ、保育の質を担保することもできません。  児童福祉法第二条では、国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うとされています。そして、第二十四条で、市町村は、保護者の労働または疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児または児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申し込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならないとはっきりと明記しています。  国や自治体の保育に対する公的責任を放棄し、子供の成長をもうけの対象にしようというのが民主党政権が推し進める子ども・子育て新システムです。奥山市長は、国に対して、子ども・子育て新システムの導入を許さず、国が保育に責任を持ち、必要な財源を保障することを強く求めるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  本市の(仮称)子育て・就労支援プロジェクトが、この問題だらけの新システムの先取りであってはなりません。待機児童を解消するためには、その願いにこたえて認可保育所を増設することを一番の柱に据えなければならないはずです。それが、待機児童早期解消に向けた取り組みとして四つの施策が並んでいますが、認可保育所をふやすことについては全く触れられていません。  もうすぐ育児休暇が明けるのに保育所が決まらない。このままでは職場復帰できないという声は、今も渦巻いています。市長は、こうした声を正面から受けとめて認可保育所の増設を進めるべきです。伺います。  大切なのは、すべての子供たちが、保育所であれ幼稚園であれ、希望する支援を受けられるようにすることです。幼稚園に対する助成を拡大することや、せんだい保育室の保育料を軽減することは、そうした意味でも重要な取り組みです。しかし、それが認可保育所をふやさないための方策であってはなりません。まして、認可保育所の保育料を引き上げるなど、とても子育て・就労支援と言えません。特に三歳以上児については、既存の子育て資源全体で吸収するとしていますが、年齢ごとにとにかくあいている施設に入れればいいだろうという発想は、子供の育ちを全く無視した考え方です。  認可保育所をという願いに背き、子供の育ちをかんがみることなく、経済効率だけを優先させるやり方は間違っています。いかがでしょうか。最後に伺って私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 43: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えを申し上げます。  子ども・子育て新システムに関するお尋ねについてでございます。  子ども・子育て新システムは、子供の育ちと子育て家庭を社会全体で支えるべく、基礎自治体であります我々市町村が直接制度を実施していくとともに、国及び都道府県が市町村の取り組みを重層的に支える仕組みを構築するものでございまして、これに応じた権限と責務が法定されることとなってございます。  このうち保育に関しましては、質の高い幼児教育と保育を一体的に提供するため、幼稚園と保育所を一体化した総合施設を目指しつつ、市町村の利用調整、契約による利用が著しく困難な場合の市町村による措置、施設側に対する応諾義務等が盛り込まれる予定でございまして、児童に必要な支援が行える制度が構築されるものと認識をしてございます。  さらに、制度の着実な実施に欠かせない財源につきましては、今まさに議論されております税と社会保障の一体改革の中で確保されるものと期待しておるところでございますが、先ほど申しました市町村が求められる役割を確実に果たしていけるよう、制度設計や財源の確保についてさまざまな機会をとらえまして意見を発し、また要望を行ってまいりたいと存ずるものでございます。  そのほかの御質問につきましては、子供未来局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 44: ◯子供未来局長(佐藤清)子ども医療費助成制度等についての御質問にお答え申し上げます。  まず、子ども医療費の助成制度につきましては、助成対象を大幅に拡大するとともに、本市独自の制度として将来にわたって制度を安定的に運用していくため、大多数の都道府県や多くの指定都市と同様、利用者一部負担金を導入することとさせていただいたところでございます。  本市の新たな助成制度につきましては、対象となる御家庭に対し既に手続の御案内を差し上げておりますが、来年一月からの実施を目前といたしましておおむね御理解をいただいているものと存じますが、さらなる周知に努めてまいりたいと考えております。  次に、医療費助成についての宮城県への働きかけにつきましては、宮城県市長会などさまざま機会をとらえ要望しておりますが、現時点で県の制度が拡充される見込みはないと伺っているところでございまして、本市といたしましては、宮城県の対応を待つことなく拡充に踏み切ることとしたものでございます。  今後とも、県制度の拡充につきましては、県内各市町村と連携しながら引き続き要望してまいりたいと存じます。  次に、児童クラブに関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、児童クラブにふさわしい施設のあり方や運営についてでございます。  本市では、市民センターなどと併設で整備した児童館の中に、遊戯室や図書室、集会室などの法令上求められる施設は設置しているものの、専用の児童クラブ室を設置していない箇所がございます。  平成九年、児童クラブが児童福祉法上に位置づけられ、それ以降に整備計画を作成した児童館については児童クラブ室を設置し、厚生労働省の示した放課後児童クラブガイドラインを参考に、サテライト室の設置や専用スペース、ロッカーを整備するなど施設の充実を図ってまいりました。今後とも、児童クラブの施設の改善につきましては鋭意努力してまいる考えでございます。  なお、児童クラブの施設、サービスの一定の平準化は必要であると考えておりますので、国の新システムにおける放課後児童クラブの制度設計も注視しながら検討を進めてまいります。  次に、児童クラブの開設時間の延長につきましては、保育所から小学校に入学した際の放課後の居場所に関する、いわゆる小一の壁への対応が求められてきたところでございまして、現在、社会福祉審議会児童福祉専門分科会にお諮りし、児童クラブの開設時間を保育所並みに延長できますよう検討を進めているところでございます。  指導員の適正配置につながる対応と検討すべき課題についてでございます。  これまでも、児童クラブの運営に当たり最も基本となる児童の適切な処遇に必要な人員を配置し、サービスの提供を行ってきているところでございます。  また、児童クラブに携わる職員のさらなる資質向上に向け、障害児等支援を要する児童とのかかわり方など種々の研修を行うなど、今後も児童館運営団体とも十分に調整しながら、効果的な資質向上策を適時に実施してまいりたいと考えております。  児童クラブ事業は利用者が限定されるサービスであり、事業の安定的運営等の観点から、利用者の皆様には一定の御負担をいただきたいと考えておりますが、制度設計に当たりましては、低所得の御家庭には十分に配慮してまいりたいと存じます。  次に、公立保育所の民営化についてでございます。  中山と南光台北保育所の民間委託につきましては、これまで四回の保護者説明会を開催し十分な情報提供を行い、御意見を伺いながら進めてきたところでございまして、南光台北におきましては民営化そのものに反対との声もございましたが、おおむね保護者の方々の御理解を得たものと認識しております。  公立保育所の民営化は、効率的運営を確保、継続しながら、保護者の御要望にもこたえる多様な保育サービスを実現していく上で有効な手法であり、今後とも、保護者の皆様への御説明や引き継ぎ、合同保育の実施等により不安の解消に努めながら、事業を着実に進めてまいりたいと存じます。  保育資源拡充のための国への要望につきましては、指定都市市長会において、保育基盤整備を進めるための財政措置の継続及び一層の拡充を要望するなど行ってきており、今後も必要な財源確保について国に要望してまいりたいと存じます。  最後に、子育て・就労支援プロジェクトにおける待機児童対策でございますが、増大する保育需要に対応するため、保育所や幼稚園、認可外保育施設など、子供の育ちに関する既存の社会資源全体を活用しようとするものでございます。  幼児教育と子育てに関するノウハウや環境が既に備わっている幼稚園の保育機能を強化し、三歳以上児については幼児教育と保育を一体的に提供しつつ、不足している三歳未満児対象の認可保育所などの資源整備に重点的に取り組むものであり、着実に推進してまいる所存でございます。  以上でございます。 45: ◯二十一番(すげの直子)再質問をさせていただきます。  全体を通してひどい御答弁だなという感じなんですけれども、まず一点目ですが、子供の医療費助成制度の問題です。一部負担金を求めていくと。しかし、県には県内市町村と連携して働きかけていくというような御答弁でした。今は県がやる見込みはないということでしたが、今後、県が市町村の要望にもこたえて、例えば就学前までに制度をじゃあ引き上げるというふうになった場合に、仙台市には一定補助金が来るというふうになると思います。では、そうなったときに一部負担の撤回や年齢をさらに拡充するとか、それはもちろん制度拡充に使われていくべきものになるというふうに私は認識するんですけれども、まず一点目、そこを確認したいというふうに思います。  それから二点目は、全体ですね、この子供の医療費も一部負担も求めていくと。保育所の民営化も進めていくと。児童館も、質の向上、基準より、有料化も議論していくということでありました。  私は、市長の子ども・子育て新システムについての理解そのものも非常にこの制度を肯定するような御答弁でしたので、これについては今はお聞きはいたしませんが、ぜひもっとしっかり勉強していただきたいなというふうにこれは思います。  御当局、仙台市が子育て支援というものの、そのスタンスが問題があるのではないかというふうに思います。それで、今、社会福祉審議会児童福祉専門分科会で児童館の時間延長や受益者負担の問題、議論していただいていて、二回分の会議録いただきました。本当に驚いたんですけれども、児童館の運営経費にかかる十九億円、これについて目安をお話ししたいということで当局が説明しているんですね。まず、例えば都市公園などの施設運営管理費は市内全体で年間六億二千万円ですと。全市の街路樹剪定では四億五千六百万円ですと。市内全体の市道の修繕等に年間二十億円だと。市道の修繕等とほぼ同じ水準だと。しかし、道路や公園は不特定多数が利用するので税で賄うこととなるが、児童館や児童クラブは利用者が特定されるため負担をいただきたいというふうに言っているんですね。これについて、委員の方からもですよ、さっき市道、街路樹その他の話もあったけれども、未来を託す子供を育てることと市道その他の管理とを一緒にされては困るというふうにたしなめられているんですよね。  それから、受益者という場合には、個々の家庭、個人がその利得を得るということだけれども、子供というのは同時に社会の資源でもあり、社会で子供を育てるという観点からすると、無料という方向性もあり得るではないかということを委員の方が言ったのに対して、社会が育てると言われているが、社会が育てるのではなく親が育てるのだということを、私は親に育てる責任がないというふうには申し上げませんが、子供たちの健やかな成長を保障する、そのために仙台市としてどう責任を果たしていくのかと。これこそが子供未来局の使命なんだということがきちんと肝に銘じられていないというところが問題なんじゃないかというふうに思うんです。この点についてお聞きしたいと思います。 46: ◯子供未来局長(佐藤清)まず、子ども医療費助成制度について、県がやったときという仮定の御質問でお答えしづらいところはございますが、県が実施した場合に、指定都市を除くといった運用がなされない限り、仙台市、本市にとっての県補助がふえるということは、それは当然そうあるべきと思っております。その財源をどのように活用するかと。これを医療費助成の分野のみですべて使うか、あるいはほかの事業にも含めて一般財源として活用するか、それはいろいろ議論もあると思います。医療費助成に限って見れば、所得制限をなくすでありますとか、年齢を拡大するでありますとか、無料にするとかいろいろな選択肢はあろうと思いますが、それはその時点における政策判断ということで、現時点でどういう方向というものは出せるものではございません。  それから、児童福祉分科会での提示した資料の件でございますが、やはり問題意識としてさまざまな見方がある中で、五千人の児童に十億円を一般財源として投下するということはどういう意味なのかという意味で、市全体の道路維持補修費でありますとかほかの事業に要する一般財源をお示しして、議論の役に立てていただきたいという意味で提示したものでございます。やはりそういった一般財源の負担というものも御理解いただきながら、じゃあどういった制度構築が適切なのか、委員会の場では専門的な知見も含めて議論いただければという希望のもとに出したものでございまして、市として今後子育て支援策を進めていくに当たりましても、当然、費用対効果と申しますか、一般財源を投下するということを常に念頭に置きながら、最も有効な施策立てを行うべきという姿勢は持ち続けてまいりたいと考えてございます。 47: ◯二十一番(すげの直子)経済効率だけを優先させるのは間違っているというふうなことを指摘したのは、そういう姿勢を私は問題にしております。保育とかと比較するならわかりますよ。そういうのに対して委員会の中でも、こういうふうに、未来を担う子供たちを育てていくのを、そういうものと一緒に比較するのはどうかというふうに言われているのに対して、今の御答弁、本当にひどいというふうに思います。  本当に子供たちの豊かな育ちを保障するというスタンス、本当に微塵でもあるなら、例えば特に私は保育所の民営化なんかは絶対にできないはずだと思うんです。震災後、子供たちの心のケアという点では、長期的にその支援が必要だというのがこれは仙台市全体での認識になっているはずなんですよね。それで、震災で壊れた、一番被害を受けた保育所にいた子供たちに、また民営化として今それを一生懸命支えている先生たちを全部子供たちから奪うと。これが民営化ですからね。これをやるということは、本当にこういうことが許されないと私は思います。追い打ちをかけるようなことだというふうに思います。  子供未来局長は、子供たちや子育て関連の予算に大なたを振るうために財政局からそちらにいらっしゃったのではないと私は思います。やはり子供たちや子育て支援を一番に考えて、どうやったら子供たちの育ち、豊かな成長を保障していくのか、これを一番に考えてやっていくというのがお仕事のはずです。そうではないでしょうか、伺います。 48: ◯子供未来局長(佐藤清)各般にわたる施策全般を拡充していくために努力してきたつもりでございます。財政当局にもむしろ迷惑をかけているかなと思うくらいでございまして、今後とも、仙台市における子育て支援策、子供施策全般について、何といいますか、本当に市民にとって必要な部分、行政として対応すべき部分、これを最優先にしながらきちんと施策展開、拡充を図っていきたいと考えてございます。 49: ◯副議長(木村勝好)次に、ひぐちのりこ君に発言を許します。     〔七番 ひぐちのりこ登壇〕(拍手) 50: ◯七番(ひぐちのりこ)社民党仙台市議団のひぐちのりこです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  初めに、生活保護についてお伺いします。  被災された方の中には、いまだ将来の見通しも立たず、生活に困窮している方も多数いるのが実情です。ことし八月における生活保護利用者数が二百五万九千八百七十一人を数え、七月に次いで生活保護制度が始まって以来の史上最多を更新したと発表されました。生活保護制度は命を支える最後のセーフティーネットです。貧困で生命の危機に陥る人がいてはならないことです。  五月二日付厚生労働省社会・救護局保護課課長通知、東日本大震災による被災者の生活保護の取り扱いについて(その三)では、震災後、緊急的に支給される第一次義援金については使途確認をしなくてもよい収入認定除外が認められているのにもかかわらず、実際には収入として認定している地域があったと伺っております。本来、義援金は被災された方々の心の支え、いわゆる見舞金としての性格を持つものです。生活資金と見るのはそもそも間違っています。仙台市は義援金についてどのようなものであるとお考えですか、お伺いいたします。
     仙台弁護士会は、仙台市などに対し、九月七日、生活保護世帯が受給する義援金などの収入認定に関する申し入れをし、さらに、日本弁護士連合会は、十一月九日、被災地における義援金等の受領による生活保護打ち切り問題の是正を求める会長声明を出しました。仙台市でも実際生活保護の打ち切りがあったと耳にしています。厚労省課長通知の趣旨が徹底していたのかどうか疑問です。仙台市は、この申し入れや会長声明についてどのような御見解を持っていらっしゃるのか、あわせて、その後どのように対応したのかお伺いいたします。  収入などがあった世帯は、自立更生に充てられる費目を記入した自立更生計画を提出することとしていますが、実際に自立更生のために充てられると考えられる費目について説明が不十分だったのではないかという例が見受けられました。例えば履歴書や経歴書の用紙代やコピーをする費用、履歴書に必要な写真の代金、郵送料など、一つ一つは高額ではありませんが、積み上げればそれなりの金額になります。郵送料や交通費もなく、履歴書を送付するにも歩いていける範囲のところだけしか応募できない。また、面接に必要な白いワイシャツや靴を買うお金にも窮しているなど、実際生活保護を受けている人からの声があります。さらに、生活保護が打ち切られた後は、再度生活保護を受けられないと思っている方もいらっしゃいました。  被保護世帯の自立支援を考慮した説明と調査がなされているのか疑問が残ります。御見解をお伺いします。  生活保護を受けている方の中には、例えば何十件も応募しているのに採用が決まらず、心の病にかかってしまう人、アルコールや薬物の依存症になってしまう人も少なくありません。庁内各部署との連携をとり対策をしていると聞きましたが、さらにNPOなどとともに連携をして、自立に向け支援に対する取り組みを推し進めていただきたいと思いますが、お考えをお伺いします。  指定都市市長会は、生活保護制度について、社会保障制度全般のあり方を含めた生活保護制度の改革を行うこと、ナショナルミニマムとして、本来、国の責任において実施すべきであり、その経費は全額国庫負担とすること、国の各種制度の検討段階において、現場をよく知る基礎自治体の意見を実質的に反映させることなどを要請しています。仙台市も実現に向け引き続き国に対し強力に求めるべきと思います。御所見をお伺いいたします。  現在、生活保護の業務を担っている各区役所でのケースワーカーお一人が担当しているケースは、平均して百十世帯強でした。国基準の八十世帯から見ても、多くを担わなければならない数です。被保護世帯の自立に向けきめ細かな支援を行うためにも人員増を求めますが、御見解をお伺いします。  次に、仙台市の児童館、児童クラブでの有料化と開設時間の延長について質問します。  十一月二十九日に行われた社会福祉審議会児童福祉専門分科会での論議の中で、児童館の現場の代表者から、仙台市は、児童館についてグランドデザイン、基本的な考え方を示すべきだと述べています。仙台市の未来を担う子供たちにとって大切なことです。このことについてどのような見解をお持ちでしょうか、お伺いします。  児童クラブの時間延長について、現在の十八時閉館では社会的な状況をかんがみても早いとの感を持ちますが、だからといって十九時十五分にするというのはいかがなものかと考えます。児童館は子供の自立を支援する施設です。開設時間についても、子供の生活を考え見直しを検討するなど、柔軟に対応することも一つだと思いますが、御見解をお伺いします。  有料化については反対意見が各方面から出されています。児童館は本来無料の施設であり、今まで無料だった児童クラブが有料となることは大きな問題です。保育所は、基本的に利用するすべての子供たちが保育料を納め、同じサービスを受けることとなっています。児童館は、自由来館の場合は無料で、専用の部屋や専属指導員もいないのに児童クラブ利用者だけが有料というのは、どう考えてもおかしなことです。また、金額も、初めに月額八千七百円が提示され、次に六千円が提示されるなど、根拠や設定基準もあいまいです。このことについて御見解をお伺いします。  政令指定都市では受益者負担のところが多いとのことですが、現在の仙台の児童館はどこの子供たちに対しても無料でサービスをしているのです。このことこそ、子育てに優しいまちとして全国に誇ってもよいぐらいです。児童クラブのおやつ代さえ払えないほど生活に窮している家庭も少なくないと聞いています。児童クラブの有料化が始まってしまえば、これ以上の支出ができないと児童クラブをやめてしまう子供たちがいるおそれがあることを危惧します。有料化をした場合、このような心配がありますが、御見解をお伺いします。  子供と保護者を支援し、共同の子育ての場としての児童館の役割はますます重要になってきています。児童館職員の専門性を認め、抜本的な処遇の改善をすることが求められますが、御見解をお伺いします。  次に、九月に策定されました仙台市DV防止基本計画についてお伺いいたします。  沖縄防衛局の田中前局長が、これから犯す前に犯しますよと言いますかという暴言に関連して、一川防衛相は、米軍普天間飛行場の移転問題の原点である米兵の少女暴行事件を正確な中身を知らないと述べました。女性と沖縄を蔑視する暴言であり、女性に対する暴力を容認する意識があらわれています。断じて許せません。  十一月十九、二十日の両日、仙台で第十四回全国シェルターシンポジウムin仙台・みやぎが開催され、全国各地から延べ千七百人ほどの方々が集まりました。平成十三年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が制定されてから十年目の節目、さらに、東日本大震災後の被災地の自治体である仙台市で行われるというのはとても意義深いと思う次第です。  全国シェルターシンポジウムで、医療機関内にある、二十四時間、被害直後からの総合的支援を行うワンストップセンターとしての性暴力救援センター・大阪の話を聞きました。二十四時間体制のホットライン及び支援員常駐による心のケアと女性産婦人科医による診療を提供しています。開設して一年間で、電話件数は千四百六十三件、来所は三百八十七件、うち診療した被害者の実質人数は百二十八人だったそうです。強制わいせつ、DV、性虐待などの被害者は、カウンセリングなどの関連機関に結びつけた例もあるということです。  また、ことしの二月から三月にかけて内閣府と民間の共同事業で行われた無料電話相談、性暴力ホットライン、パープルダイヤルでは、一万七千三百四十八件の相談があり、特に深夜の相談が多かったと報告されています。多言語での相談体制もつくったため、外国人の相談も八百七十九件あったと報告されています。これまで隠れていた人たちがやっと声を上げられた、被害の状況が見えるようになってきたのではないでしょうか。  仙台市でもせんだい男女共同参画財団やNPOなどで行っている相談事業もありますが、まだまだ表に出ていない被害者が多くいると想定されます。被害者支援は待ったなしです。このことについてどのような御見解を持つのかお伺いします。  平成十九年に改定されたDV法で、市町村での配偶者暴力相談支援センターの設置が努力義務とされました。仙台市がことし九月に策定した仙台市DV防止基本計画において、配偶者暴力相談支援センターの設置を取り組むことになっています。国において努力義務とされているものが実際に設置される計画ができたことに敬意を表しますが、多くの都道府県において複数ある配偶者暴力相談支援センターが宮城県には一カ所しかないという現状をかんがみれば、仙台市においてその機能を担うセンターの設置が急がれます。関係機関やNPOなどとの緊密な連携のもとで、被害者の安全確保や孤立を防ぐことなどを含む支援の体制づくりをすること、大切と思われます。  相談機能の充実や被害を受けとめられるこのような配偶者暴力相談支援センターをつくることが急務ですが、想定している場や形態についてお伺いいたします。  また、仙台市として配偶者暴力相談支援センターの設置は待ったなしと思いますが、いつまでに整備をお考えかお伺いいたします。  子供の目前で行われるDVというのは心理的虐待に当たり、DV家庭で育った子供たちへの支援は大きな課題であると認識していると仙台市当局は見解を示されました。児童相談所と連携した心理的ケアへの配慮が求められますし、就学児童については、場合によっては教育委員会と連携した学習機会の確保が必要となりますが、子供関連機関との連携についてお考えをお伺いします。  最近は、身体に対する暴力だけでなく、脅す、行動を監視する、無視するなど精神的な暴力が顕著になってきたと関係者は述べています。DV防止法第二十四条では、暴力の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものと明記されています。  仙台市としても、身体的暴力のみならず、精神的な暴力についてもあらゆる機会をとらえて啓発することも大切です。どのような対応をお考えかお伺いします。  次に、仙台市の観光PRについて質問いたします。  第三回臨時会の本会議で、仙台市の経済状況は、特に建設業、宿泊、飲食サービス業の一部において顕著な伸びが見られる一方、円高や風評被害が継続しているため、輸出産業やIT、観光業などでは回復の足並みが遅いと仙台市は答弁しています。  春から初夏にかけて、西日本の旅行代理店では東北地方への旅行パンフレットが店頭からなくなってしまったと厳しい話を耳にいたしました。しかしながら、夏を越えるあたりから徐々に仙台を初め東北地方への観光の案内がふえ、今では例年と同様に旅行パンフレットが並んでいると聞き、少しは安堵しています。  私は、議員になる前、ある全国的なイベントに参加する機会がありました。仙台市の当該課からケヤキ並木の観光ポスターを提供していただきました。企業からは笹かまぼこの模型をお借りし、また仙台七夕の七つ飾りをつくって集まった方々にごらんをいただきながら、仙台を紹介させていただきました。仙台にはきれいなケヤキ並木があるんだね、笹かまぼこおいしそうなど、仙台に興味を持った、機会があれば遊びに行きたいとお声がけをされました。たくさんの観光地の中から仙台を選んでくれるような具体的なPR方法もあると実感した出来事でした。  仙台市復興計画では、新たな観光交流戦略の構築として五つの具体的な取り組みが示されています。国際会議など大規模なコンベンションを積極的に誘致し開催することや、ホームページやウェブ動画などを活用した不特定多数に関する情報発信も有効ですが、同時に、単身の旅行者や家族、友人同士の小規模なグループでの観光を、市民の方々が顔の見える関係で特定の方に口コミなどで促すことも一定の効果があると考えられますが、御所見をお伺いします。  百万都市仙台には、例えば職能団体や仕事、サークルなどでの集まりに、ほかの都市に出かける方も少なくありません。仙台を紹介してほしいと依頼されることも少なくないでしょう。以前より社民党仙台市議団は拠点施設としての観光物産館を要望していますが、仙台のPRできる品々、例えば観光ポスターやレトロ調観光バスるーぷる仙台、食器洗浄器登載車両ワケルモービルなどのペーパークラフトを紹介する場を設け、市民の皆様が仙台を広報する際に活用してもらうことも有効と考えますが、御見解をお伺いします。  仙台市では、仙台城隅櫓、青葉まつり、七夕まつり、そして現在行われている光のページェントなどが印刷されている観光カラー名刺台紙を発売しています。復興支援で他都市から応援にいらっしゃった職員の方が、この名刺の台紙を購入し、仙台を地元の皆さんに広めてくれたという心温まるエピソードも耳にしました。仙台市の職員の皆さんに対しては、庁内LANも使って観光カラー名刺台紙をお知らせしていると聞き及んでいますが、もっと多くの方々にいろいろな機会や媒体を通して名刺での仙台のPRも一考していただきたいなと思いますが、お伺いします。  入場者が少なくて廃園というところまできていた旭川市営の旭山動物園を、奇跡のV字回復をさせた小菅正夫前園長の話を北海道で聞いたことがあります。講演の最後に小菅園長が、きょうは皆さん、お仕事などでいらっしゃったと思いますが、今度は御家族でぜひ旭山動物園においでくださいと話したことが印象に残っています。仙台にいらっしゃった方々に対しまた訪れたいと思っていただけるように、今まで話をしたことを初め、あらゆる場を活用して仙台を紹介することについてお考えをお伺いして、私からの第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 51: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのひぐちのりこ議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、児童館についての本市の基本的な考え方についてでございます。  児童館は、遊びを通じて子供の健やかな成長を支援するだけではなく、地域の方々が連携して次世代を担う子供たちや子育てをしている家庭を支えていく、地域の子育て拠点であると考えております。子育てに不安感を抱える親御さんがふえている中で、地域との協力のもと、子育てを進めている家庭を温かく見守り、支え、そして応援していく児童館の役割は、児童虐待予防や要支援児の支援の場としても非常に重要と考えているところでございます。  また、児童クラブは、就労しながら子育てをしている家庭にとりまして、仕事と家庭の両立を支援するサービスとして必要不可欠であり、本市としても、開設時間延長を初めとする拡充と質の向上を図りながら、子育て世代を応援していくことが必要でございます。  今後とも児童館の計画的な整備を進めながら、あわせて地域の子育て支援力の充実を目指し、子供と子育て家庭を応援する地域づくりを行ってまいりたいと考えているものでございます。  次に、市民の皆様の顔の見える関係でのPRなどについてのお尋ねでございました。  観光交流を推進していく上では、本市の観光資源やコンベンション機能を生かした都市の魅力づくりと同時に、その情報発信が重要でございます。  青葉まつりや仙台七夕まつりの開催の折、来訪された知人の方々などに、多くの市民の皆様が、みずからの郷土、自分たちの住むまちのすばらしさを熱っぽく語っていらっしゃるその姿、また、中学生の皆さんが修学旅行等で訪れた先々で、自分たちで作成したパンフレットをもとに大好きな仙台を伝える姿、こうしたことがこれまでもさまざまな形でまちの中で展開をされてございまして、市民の皆様が本市のPRについて極めて大きな力となっているところは御例示のとおりと存じます。  今後も、市民の皆様が本市のPRに熱意を持っていただき、そしてまた主体的に取り組むことができますよう、それらに向けた有効な情報やツールを容易に入手できるよう、公共施設への配置またはインターネットの活用など工夫を重ねてまいりたいと思うものでございます。地元の情報誌や本市の広告媒体等、さまざまな手法によりまして市民の皆様にそうした協力をお呼びかけし、お一人お一人の方々がいわゆる本市の観光大使ともなったお気持ちで努めていただけるように、私どもも支援の策を講じてまいりたいと思うものでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 52: ◯市民局長(高橋一典)仙台市DV防止基本計画に関する数点のお尋ねにお答えいたします。  本市におきましては、これまでDV防止のための啓発や相談窓口の周知を図るとともに、一時保護までの安全確保策など緊急時の対応についての取り組みを進めてまいりました。  しかしながら、DVの被害は後を絶たず、また、女性に対する暴力の被害は複雑かつ多様化していることから、警察や医療機関、法律の専門家などとの連携の重要性が増してきているものと認識しているところでございます。  今後とも被害の未然防止と相談機能の充実に向けた取り組みを一層進めてまいる所存であります。  次に、配偶者暴力相談支援センターについてでございます。  現在、DV被害者の支援につきましては、各区の保健福祉センターにおいて相談や県の一時保護所への送致を行っており、また、エル・ソーラ仙台においても相談などの対応を行っております。これら既存の組織や施設の活用を図りながら、宮城県の支援センターであります女性相談センターや警察など関係機関と連携し、必要な機能を果たしていける体制を構築してまいりたいと考えております。  本市における配偶者暴力相談支援センターの具体的な形態や機能につきましては、関係部局と協議を進めているところであり、早期の開設を目指して作業を進めてまいります。  次に、子供関係機関との連携についてでございます。  DVと児童虐待とは密接な関係にあることから、児童相談所、学校、保育所など子供に関係する機関との連携を強化してまいりますとともに、子供に関する業務に携わる方たちに対するDVと児童虐待との関連についての意識啓発や研修の充実にも努めてまいりたいと考えております。  最後に、暴力防止の啓発についてでございます。  配偶者からの暴力には、身体的なものに限らず、大声でどなることや何を言っても無視して口をきかないなどの精神的な暴力や、生活費を渡さないなどの経済的暴力などさまざまな形の暴力がありますが、その内容を理解している方はいまだ少ない状況にあります。  仙台市と男女共同参画財団が行ったDVに関するアンケート調査におきましても、精神的な暴力を暴力に当たるとは思わないと考える方の割合が多い状況になっております。  これまでも、啓発リーフレットの配布や研修会、高校などへの出前講座などさまざまな機会をとらえ、精神的な暴力についての啓発を進めてまいりましたが、今後もこれらの取り組みを続けながら、社会全体で暴力を許さない機運を高めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 53: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、生活保護に関する数点の御質問にお答え申し上げます。  初めに、義援金のとらえ方についてでございますが、今回の義援金は、東日本大震災により被災された皆様への救護や支援あるいは慈善のために全国からお寄せいただいた貴重な善意のお気持ちであると考えております。  生活保護制度上の位置づけといたしましては、国からの通知において、災害等によって臨時的に受ける補償金、見舞金的な性質を有する収入であり、保護世帯の自立更生のために充てられる金額を超える額を収入として認定することとされております。  次に、仙台弁護士会からの申し入れや日本弁護士連合会会長声明に関する見解と対応についてでございます。  仙台弁護士会からの申し入れは、生活保護世帯における義援金等の取り扱いに関する国の通知の趣旨を踏まえ、適切な運用を求めるものでございます。  また、日本弁護士連合会会長声明につきましては、義援金等の受領を理由に生活保護を廃止した件数が際立っている自治体があることや、国の通知の内容が徹底されていないという認識のもと、厚生労働省に対し改めて通知の発出と適切な指導を求める内容であると理解いたしております。  本市ではこれまでも国の通知に基づき対応してきたところであり、今後も保護世帯の意向を尊重し、適切に制度を運用してまいりたいと考えております。  次に、生活保護上の義援金等の取り扱いについての説明と調査に関する御質問でございます。  本市では、保護世帯に対し自立更生に充てられる費目等について説明し、個々の世帯の状況を十分に把握した上で、将来の自立に向けたニーズ等も伺い、自立更生計画書を作成いただいております。この計画書の内容に沿って義援金等を生活再建のための経費に充てていただき、残余の額が生じた場合には収入として認定いたしております。  今後とも、義援金等が被災された保護世帯の方々の自立更生に有効に活用されますよう、丁寧な説明ときめ細かな支援に努めてまいりたいと存じます。  次に、NPO等との連携による自立支援の取り組みについてでございます。  生活保護世帯の自立に向けましては、福祉事務所の枠を超えた総合的な支援が重要でございまして、これまでもハローワーク等の外部関係機関と連携し、個々の状況に応じた支援を行ってきたところでございます。  現在、国におきましては、NPO等との連携によるパーソナル・サポート・サービス制度のモデル事業を実施しておりますほか、さまざまな施策の検討が進められております。  今後は、このモデル事業の効果や他自治体での効果的な事業等も調査、分析し、本市の実態に即した施策の検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、生活保護制度に関する国への要請についてでございます。  現在、生活保護制度の今後のあり方について、政令指定都市市長を含む地方代表も出席した生活保護制度に関する国と地方の協議の場が設けられております。  本市といたしましては、制度改革の方向性についての議論が地方自治体の主張を真摯に受けとめた内容となっているかを継続して注視するとともに、生活保護制度が時代に合致したセーフティーネットとして機能しますよう、市長会を初めさまざまな機会をとらえて引き続き国に対し要望してまいりたいと考えております。  最後に、ケースワーカーの増員についてでございます。  ケースワーカーの配置数につきましては、本年一月、五月及び十月に段階的に合計十一名を増員してきたところでございます。  今後につきましても、引き続きケースワーカーの増員により体制強化に努めますとともに、業務の見直しや査察指導員による効果的な助言指導の実施などにより、ケースワーカーの負担軽減を図り、保護世帯の自立に向けたきめ細かな支援に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 54: ◯子供未来局長(佐藤清)児童クラブに関する御質問等にお答え申し上げます。  まず、児童クラブの開設時間につきましては、これまで実施したアンケートの結果からも、保育所並みに午後七時十五分まで延長することが必要であると考えております。  しかしながら、児童館の地域性などから、必ずしもすべての開館時間を一律に取り扱うことが合理的ではない場合もあり得ると考えられ、市としては七時十五分までの体制を用意しつつ、需要に応じた柔軟な対応は検討してまいりたいと考えてございます。  次に、児童クラブの利用料金についてでございます。  御指摘の料金額につきましては、社会福祉審議会児童福祉専門分科会において児童クラブの時間延長と受益者負担の導入について御協議いただくに当たり、その参考とするため、一定の条件下での試算を提示したものでございます。  試算値は、国の考え方に基づき、児童クラブ運営費の二分の一を保護者が負担するとした場合に算出される額として八千七百円、また、この八千七百円を基礎に仙台市の保育料の軽減割合を仮に乗じれば六千円となる旨をお示ししたものでございます。  次に、低所得世帯の子供たちへの影響についてでございます。  受益者負担の導入に際しましては、御指摘のような危惧が生じないよう低所得の御家庭に対しては十分配慮してまいりたいと存じます。  また、現在、児童クラブの中には専用室が確保できない施設などもございますが、これまでも児童クラブの運営に必要な人員を配置し、健康管理、出欠確認を初めとした安全管理、家庭との日常的な連絡、情報交換等、児童クラブ特有のサービスを提供してきているところであり、今後、有料化した際には得られることとなる貴重な財源も活用しながら、サテライト室や専用ロッカーの整備など施設の充実を図ってまいります。  次に、児童館職員の処遇改善についてでございます。  昨今の経済状況や就労に対する意識の変化、加えて震災による影響等から、今後児童クラブに対するニーズはさらに高まっていくものと考えております。  また、児童クラブには、子供の放課後等の安全で安心な居場所としての機能のみならず、一人一人の子供の発達状況を踏まえ適切な自立を促すことも求められており、児童館に働く職員に求められる専門性については十分認識しているところでございます。  職員の処遇につきましては、民間の類似する職の賃金等を参考に、今般の児童クラブの開設時間の延長に伴い必要となる人的措置に要する費用を当然に市として負担することと考えてございます。  以上でございます。 55: ◯経済局長(高橋裕)観光名刺の活用推進に関するお尋ねにお答えをいたします。  仙台の風景写真やイラストを用いた観光名刺は、手軽に本市のPRを行うことができる身近なツールとして、仙台観光コンベンション協会が製作、販売しているもので、本市職員も活用し、好評を得ているところでございます。  これまでも、本市観光交流課においても販売するなど利用促進を図ってまいりましたが、なお魅力的なデザインの開発や販売箇所の増設等についても検討するとともに、職員だけでなく市民の皆様も含めて活用していただけますよう、周知の取り組みを強化してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 56: ◯七番(ひぐちのりこ)児童館の関係について質問させていただきます。  低所得の御家庭に対して配慮する、配慮するといろんなところでおっしゃっていますけれども、例えばこれだけの受益者負担があるんだったら始めからもう入りませんよということについて危惧をしているものでございます。結局、もう埋もれてしまうかもしれないというようなことでございますから、実際、今配慮するということについて具体的にどのような配慮というのをお考えなのか、今のところのお考えがあればお示しいただければと思います。 57: ◯子供未来局長(佐藤清)具体的にはやはり制度設計全体を決める中で整理することにはなりますが、ほかの保育料等も考慮すれば、ゼロという場合もあり得るというふうには考えてございます。
             ────────○──────── 58: ◯副議長(木村勝好)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 59: ◯副議長(木村勝好)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、来る十二月十二日、定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時五十八分延会...